福島県教育センター所報ふくしま No.79(S61/1986.12) -032/038page

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 いごまでやりとおすようにさせる。
イ 授業の展開にあたって
○ 子どもたちの実態,能力にあった課題を設定する。
○ 興味,関心を喚起させる。
○ ひとりひとりの児童をよく観察し何に興味をもっているか.どんなことを訴えようとしているかを知る。時に奇声を発し,教師の指示が理解できないこともあるが教師と児童との信頼関係をもつようにつける。
○ 表情や動作を見ながら進める。
○ 個人の能力に応じた配慮,成功感,成就感を味わわせる。
○ ごっこ遊びをとおして,いろいろな学習活動を展閲しその中で総合的に基本的生活習慣や社会のルールや学習内容を身につける。
ウ 授業の展開
○ 本時のねらい
  みんなで楽しい電車ごっこをする。
 A(能力の低い)みんなといっしょに参加できる。
 B(能力の中)電車ごっこをしながら,ひらがなを読んだり,歌うことができる。
 C(能力の高い)電車ごっこをしながら運転手になり電車を走らせる。駅で漢字を読んだり楽しく歌うことができる。
○ 本時の展開記録
学習内容・活動 K男の参加記録
1.楽しく歌・リズムにあわせておどる 円陣を作り音楽に合わせて体を動かしながらおどることできた。自分で歌いながら教師といっしょにおどることができた。
2.学習課題をつかむ ○本時の学習内容や手順を説明すると,K男は,カードを読むことができた。
○ひとりひとり自分の役わりを発表させる
3.電車ごっこをする
○自分の役わりを発表する
K男は,「ぼくは運転手になる。」「T子ちゃんは,お客さんだ。」と,1年生のせわをした。
○みんなで駅の名前を大きな声ではっきり読む ○それぞれの駅を通過するのには,教師の用意した問題をみんなで解決してから,通過するように大きな声で読ませる。
○電車ごっこを始める
発車の合図
○K男は,運転手なので首から呼び笛をさげた。
「発車。」「ピーッ。」と元気よくならす。音楽に合わせて,先頭を走った。
○文字の駅で読む ○文字の駅に着く。
K男は,ダンポールの電車からおりるとき,1年生の子どもの世話をした。
○トランポリンの駅でおりる ○ トランポリンをとばせる。
A−恐怖感があるので,教師が介助して楽しくとベるようにさせた。
B−両足とびで高くとべるようにさせた。
k男−片足とびで高くとべるようにさせた。

2 授業の考察
○ 自閉症・自閉的傾向の子どもたちは,まとまりのある集団生活をすることが,むずかしく友だちとのかかわりもうすいといわれている。
 電車ごっこの遊びは,児童ひとりひとりが興味をもって活動に参加することができて,友だちとのかかわりを育てることもできた。
○ 遊びながら集団生活に必要なきまりや学習の仕方がわかり主体的に参加することができるようになった。

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