福島県教育センター所報ふくしま No.79(S61/1986.12) -034/038page

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アイディア紹介

光の屈折実証器

原町市立石神第二小学校教諭  佐藤 敏夫


1.使用学年・教科・単元名
 小学校5年・理科・光の進みかた

2.ねらい
(1)指導要領のねらい…・・・光は質の違う物の境で屈折したりすることをとらえさせる。
(2)本器の具体的ねらい・…・・見えなかったポールの中の硬貨が見えたり又見えなくなったりする。これは光の屈折によることをとらえさせる。
図1
図1


3.使用法
図2
図2

(1)タンクAに水を3,000ccほど入れる。
(2)児童観察器Cのまわりに児童を集める。そして児童の視線をポールのふちの赤と中の緑に合わせる。
(3)タンクAを40cmぐらい高く持ち上げる。
(4)コックBをひねって水をタンクAから徐々に観察器Cに移流させる。
(5)観察器内の線や硬貨が見えたり,見えなくなったりする様子を観察させる。
 1 緑の線がどんどん見えてくる。
 2 下の黒い線も見えてくる。
 3 そして底の硬貨まで見えるようになる。
 4 タンクAを観察器Cより更に30cmほど下におろす。
 5 今度は今まで見えていた硬貨・黒線・緑線が全く見えなくなってしまう。

 こうした実証を話し合いながら2〜3回くりかえすことによって「ねらい」をしっかりとらえさせるようにする。

4.本器製作上の工夫
(1)タンクAは自家用車用の水タンクをそのまま活用した。
(2)児童観察器Cは家庭の台所用の不透明プラスチックポールを用いた。
(3)Cから水を出入させるホ−スは,石油用のポンプの弁を切除して用いた。
(4)コックBは,ガス用のものを改良しようとしたが穴が大きくできず,水の出入に時間がかかりすぎてだめであった。そこで水道用のコックに切り替えた。
(5)ゴム管のジョイントについては水もれ防止のため市内の水道工事店に依頼して製作してもらった。

5.効果
(1)教室を暗くしなくてもよくとらえられる。
(2)タンクAからタンクCに水を移すのに1分12秒かかる。水の移動に時間があまりかからないところが良かったと思われる。(タンクの高さ45cm)
(3)タンクAの高さによって流水速度が変えられるところも良い。
(4)使用してみると水はゆっくり時間をかけて出し入れし観察させる方が話し合いが活発になって良かった。
(5)電動ポンプを用いたりせず,小学生らしく簡単な操作でしかも明瞭にとらえられたので効果があったと思われる。

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