福島県教育センター所報ふくしま No.80(S62/1987.2) -003/038page

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3 自ら学ぷ意欲を高め.学習の仕方を身につけさせるために
(1)指導過程の工夫
 子どもが自ら学ぶ意欲を高め,主体的に学習を進めるためには,子どもに考えさせる場面と援助や指導を必要とする場面とを区別して考えておく必要がある。そこで,学習の手順にしたがって,教師の主な手だてを,指導過程の課題をつかむ段階,課題の追究と解決段階に重点を置いて考えた。
 学習の仕方は,学習の手順にしたがって主体的な学習を継続的に積み上げていくことによって身につくと考える。

指導過程の工夫

(2)課題意識を高める工夫
 子どもがある問題に出会ったとき,自己の問題として受けとめるかどうかが,意欲的に問題に取り組み,解決していくことにおおいに関係してくる。
 子ども自ら意欲的に問題に取り組み思考力を高めていくには.課題意識をもつことが必要である。
1 興味関心ある問題の提示に努める。
 課題意識をもたせるためには,子どもにとって挑戦してみたいと思うような知的好奇心をひくような興味ある問題を準備し与えることである。
 問題が「よい問題」であるためには,どのような条件を備えるべきかについて,S.クルーリックらは,次の3項目を挙げている。
(1)その問題に対する解決が明瞭な数学的な概念や技能を含んでいる。
(2)その問題はさまざまな場面へ一般化したり拡張したりすることができる。
(3)問題そのものが多種な解決に適している。
 これらのことから,提示する問題は,以下のような観点でつくるように努める。
 ○未知の部分,矛盾している部分,不思議に思われる部分が含まれているか。
 ○努力すれば,一応の解決の見通しがもてるも

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