福島県教育センター所報ふくしま No.80(S62/1987.2) -007/038page
一般に色素液は.最初急激に上昇し後半にややおそくなる傾向が見られる。また,ネギのように速いときには10〜18cm/分,少ないときには0.5〜0.7cm/分という具合に不規則である。ホウセンカでは葉が茎についている部分(節)で遅くなり,オリヅルランでは葉の広い部分で遅く中心部で速くなる。
観察材料としてヒメムカシヨモギなどでも薄く縦断すれば観察は容易であるが見えにくい。オリヅルランやネギは色水の上昇していく様子が鮮明に観察できるのでよい材料である。生徒は水分上昇の速さに驚きと興味を示すものと考える。
ホウセンカの茎の縦断面 オリヅルランの葉の横断面
(2) ツユクサの根の観察
1 準 備
ア ツユクサの根の成長が観察できるように1週間前のものと2週間前のものを根ごと採集しビーカーに入れて水栽培をしておく。
2 方 法
ツユクサの根をピンセットとカミソリの刃を使い切りとり,スライドガラスにのせ,カバーガラスをかけて顕微鏡で観察する。
3 結果と考察
ツユクサの支根
ツユクサは単子葉植物であるから節から出ているのがひげ根で,そのひげ根から出ているのが支根である。ひげ根の成長は速く夏だと1日で1〜2cmも成長する。単に水に入れて置けばよいので簡単に取り扱える植物である。しかも支根の中での道管のらせん構造や支根と根毛の様子までもよく観察できる。
水分の移動に根がどのように関係しているかを理解させるのに手軽でよい材料と思われる。
3 フィルムケースを活用した簡易蒸散計による蒸散量の測定法
(1)準 備
フィルムケース,ローソク,アルコールランプ,マッチ.油性ペン,アルミホイル,ゴム栓(2号).輪ゴム(No.8),ガラス管(¢2mm),ポリ管(¢5mm),工作用接着剤,ビニール用接着剤,ハサミ,顕微鏡及び観察用具,コルクボーラー
(2)簡易蒸散計の作り方と活用法
1 フィルムケースのふたに2号のゴム栓が入