福島県教育センター所報ふくしま No.80(S62/1987.2) -008/038page
る穴と直径2mmより小さめの穴をあたためたコルクポーラーであける。
2 直径2mmのガラス管を図のように直角に曲げフィルムケースのふたに通す。空気もれがないようにビニール用接着剤をつける。
3 ゴム栓に直径4mmの穴をあけ,ポリ管を通しゴム栓に合わせて切り,フィルムケースのふたにはめる。
4 でき上がったフィルムケースのふたに空気もれがないように輪ゴムをはめる。
5 フィルムケースに水を入れ図のようにポリ管に植物をさす。次に,アルミホイルで図のようにスプーンの形をつくり,空気や水もれがないように,ローソクを溶かしポリ管に流しこむ。(この方法であるとポリ管を通る茎や葉柄をもつ植物ならどんなものでもできるので便利である。)
6 単位時間(5〜10分間)におけるガラス管内の水の減少量を油性ペンで記録し.定木を用いて間隔を測る。フィルムケースを用いた実験では,短時間において蒸散量と吸水量が比例関係にあるのでこれらを同一視してもよいと考えられる。
7 ガラス管内の滅少量を求めるには,ガラス管の半径が1mmであるから,1cmの変化があったとすれば,1m×1m×π×10mmとして求めることができる。実際の学習では.蒸散量を長さの変化でグラフ化し,・体積に換算し生徒に理解させる。
8 使用する葉はできるだけ同じ大きさのものを選び行うようにする。正確に単位面積当たりの蒸散量を調べるときには,方眼TPシートに形を写しとり面積を求めるとよい。
植物の葉の蒸散
9 各班ごとに条件を変えて蒸散量を比較させる。
ア 日なたと日かげでの蒸散量の比較
イ ワセリンをぬり葉の表裏での蒸散量の比較
ウ 植物の種類間での蒸散量の比較
10 蒸散に関する葉の気孔の様子を観察し蒸散と気孔の関係を調べる。気孔の観察方法として,次のように工作用接着剤(セメダインCなど)を使用する方法を用いると手軽で簡単に観察できる。
< 気孔の観察 >
ア 事の片側に工作用接着剤をマッチ棒につけて少しぬり,直径1cmぐらいになるようにまんべんなく広げる。
イ 乾燥(5〜6分)後,先の細いピンセットで工作用接着剤を静かにはぎとり,スライドガラスにのせカバーガラスをかけて検鏡する。
ウ 葉の表裏や植物の種類による気孔数の違いや日なたと日かげでの気孔の開閉の様子などを調べるのにも便利な方法である。
"サツマイモの葉の裏面の気孔 サツマイモの葉の表面の気孔