福島県教育センター所報ふくしま No.80(S62/1987.2) -021/038page
<表8> 事前・事後・把持テストの結果
うので,事前に実験内容については全員が理解できるように時間配分を考えた。このことによって複雑な内容の学習に対する不安を取り除くことができたものと思われる。
事後の探究の過程において重要と考える観点く表7>からは「問題解決のための推論をしておくとよい」が滅少し,実験結果をまとめておくとよい」が増加したのは,実験内容がよく理解できたので,実験結果をよくまとめれば実験に関しては,満足感が得られると考えているためであろう。
く表9> 実験に対する意識
○自分から進んで実験をしなければ何も得られない 52.0% ○演示実験も楽しそうなので生徒にも実験させてほしい 10.4% ○あまり複雑な実験を多くしなしいで楽しいものにしてほしい 6.3% ○もっとまとめをよくしておかなければならない 20.8% ○その他 10.4%
実験に対する意識<表9>では,事前の時と比べると,かなり意欲的になってきたことがうかがえる。
イ 事前・事後・把持テストについて<表8>
物質の見方の内容を含めたテストの結果から変容が見られ,検証授業は有効であったと考える。今回の研究によって,問題解決のための推論をさせながら実験を進めることは非常に有効であることを確認できた。
(3)結 論
物質の化学的見方を養う指導で,問題解決のための推論(予想)をさせ,実験を進めさせることによって学習効果が上がるものと考える。また,実験には物質の化学的性質,物質の状態,化学反応の内容を含んでいるものが多いので,意識的に物質の化学的見方を指導していくことが大切であると思われる。
5.反省と問題点
(1)二酸化炭素の量を逆滴定によって求めることを,事前に十分指導しておかなければならない。
(2)実験の目標だけにとらわれがちであるが,物質の化学的性質,状態,化学反応について考えさせながら進めさせたことは,生徒の興味・関心を高めることができたと思われる。
(3)実験を中心に授業を進めると,進度が遅れがちである。
(4)生徒を意欲的に活動させるためには,実験内容を理解させ,意識を高めさせることが最も大切であると再認識させられた。
く参考文献>
○昭和59年度研究報告書(教育センター)
○百科辞典(平凡杜)
○分析化学(丸善)