福島県教育センター所報ふくしま No.81(S62/1987.6) -011/038page
一般的に障害走の特性を述べたが、実際の授業を進めるに当たっては、学習者からみた特性をより具体的にとらえる必要がある。
3.診断的評価の方法
(1) 学習者が現在もっている関心や技能などのレベルや幅を、レディネステストにより把握する。
<テスト項目> ア 興味・関心 イ 経験状況 ウ 技能 工 知識 オ 人間関係 (2) 次に(1)の各項目の結果を分析し、それに基づいて、障害走の特性への触れ方を見いだすことである。要するに、生徒が現在どのような楽しみ方ができるのか、また、どのような楽しみ方を求めているのかということの把握である。
実施する場合には、少なくともクラス単位で状況や程度が把握できるようにする。併せて個人差が明確になる程度の内容が必要である。
次に、実際に福島県立I女子高校の1年生177名について行った調査結果をもとに述べることにする。4.女子生徒の立場から見た障害走の特性
<図-1> 陸上競技に対するイメージ <図-2> 障害走に対するイメージ
2. 障害走に対して非好意的な理由
<表-1> 障害走に対して好意的でない理由(複数回答) 理由 人数(%) 1 ハードルが高く上手に越えられない 70人(29%) 2 速く走れない 68人(28%) 3 ハードルにぶつかりけがをしたことがある 50人(20%) 4 ハードル間を3歩でカバーできない 39人(16%) 5 その他 16人(7%) <図-3> 小学校での障害走経験状況 <図-4> 中学校での障害走経験状況
(3) 希望している授業について
2. 目標とするハードルの高さについて <図-6> 目標とするハードルの高さ
1. 授業の形式に関して
<図-5> 授業の形式について
<図-7> インターバル・ランニングのリズム
このデータをもとに女子生徒の立場から見た障害走の特性は次のようになる。
以上の結果から、女子生徒が自ら進んで障害走
- 興味・関心については、陸上競技全般より障害走の方がやや低い。
- 障害走が嫌いな理由は、走力不足とハードルに関するものが大部分である。
- 小・中学校での経験状況は、非常に高い。
- 授業では、競争型よりも課題達成型を望んでいる。
- インターバル・ランニングのリズムについては必ずしも3歩のリズムにこだわってはいない。