福島県教育センター所報ふくしま No.81(S62/1987.6) -014/038page
<教育相談>−紙上学校カウンセラー講座−
教育相談へのいざない(6)
−問題行動の気づきと対処の仕方−
教育相談部 松本 喜男 佐藤 信寛
前年度より連載を始めました紙上学校カウンセラー講座いかがだったでしょうか。児童生徒への指導に少しでもお役に立てることができれば、部員一同これ以上うれしいことはございません。
本年度は、前年度にひき続いて、次のようなテーマでお送りしたいと思います。
第81号−問題行動の気づきと対処の仕方
なお 、本年度から初めて読み始められる方は 、第76号(61年6月発行)からお読みいただければなおわかりやすいのではないかと思います。
第82号−テスト・バッテリー
第83号−ロ一ル・プレイングの基礎
第84号−行動療法の基礎
第85号−自律訓練法の基礎
それでは、本年度第1回目の紙上学校カウンセラー講座として問題行動の気づきと対処の仕方」についてお話したいと思います。1.問題行動とは
発達期にある児童生徒は感受性が豊かであり、また多くのストレスの中で生活しています。
そして、これらのストレスの多くは、児童生徒に不安を生じさせます。
その不安を、適切な方法で解消できる場合はよいのですが、その児童生徒の性格やおかれている状況などから、うまく解決できない場合があります。その場合は
などの不適応行動を示すようになります。これはそのような行動で不安を解消しようとする無意識の心の働きによります。このようにして示された行動が問題行動であるというわけです。
・反社会的行動
問題行動は、一般的に、次の2つに分類されています。
周囲の人々や環境に対して、社会規範などに背反する攻撃的な行動として表れる問題行動
(例)いじめ、恐かつ、盗み、暴力など・非社会的行動 自分の置かれている環境から後退して、自分の中に閉じこもろうとする問題行動(例)不登校、選択性かん黙、チックなど