福島県教育センター所報ふくしま No.81(S62/1987.6) -016/038page

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 学校生活についての訴えが多くなる。「疲れた」「ついていけない」「もうだめだ」
夜間外出が増える、気になる行動(睡眠、食事、その他)

4.問題行動に対処するには

1.で述べたように、反社会的行動も非社会的行動も本質的には同じものですので、対処の仕方も基本的には同じ、ということになります。基本的な対処の仕方のいくつかを次に紹介します。

(1) 発達期の心理を十分理解して指導する。 

その発達段階特有の心理を理解して対処しないと、対象とする児童生徒との信頼関係をそこねたり、適切な対処ができなくなります。また乳児期にさかのぼって心理発達の過程をとらえることにより、問題解決の鍵が見つかることがしばしばあります。(発達期の心理については所報78号をご覧ください)

(2)『問題行動は心の訴えである』と考える。
 児童生徒の気持ちに添って、共に悩み、共に考えていこうという姿で接する。

心の訴え

問題行動を心の訴えととらえ、児童生徒の気持に添って対応すると、児童生徒は心の内を語るようになり、また、情緒が安定してきます。
客観的に自分を見つめることができる
情緒が安定する
 すると
  ⇒
↓  そして

 
再適応できる
自己洞察が可能になる
←  その結果
 

 情緒の安定をはかることは、問題行動に対処する場合、特に重要です。 情緒の安定をはかるには、カウンセリングの技法(受容、支持、繰り返し明確化、リードなど)を用いて応答することが有効です。(カウンセリングの技法については、所報79号をご覧ください)

(3) ラポールの形成をはかる

“子どもは、自分の好きな人、尊敬する人の言うことはよく聞く"(C、ローレンツ)

 指導する−指導される関係が成立するかどうかは、児童生徒が教師に、親密感、信頼感を持つかどうかにかかっています。そのためには、
1.話をよく聴く
2.肯定的に接する
3.常に児童生徒と共に脳み、考える
といったことなどが大切です。

(4) 計画的な指導を行う

「指導援助」には
“指導案"なるものが必要です。

問題の確認
・中心となる問題行動は何か
・今までの経過はどうか
資料の収集
・本人と面接をする
・検査、調査に目を通す
・行動の観察をする
 いつ、どんな場面で発生するか、頻度、程度は、  

 

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