福島県教育センター所報ふくしま No.82(S62/1987.8) -002/038page

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<所員個人研究>−高等学校学習指導・国語−

高等学校国語科における評価

−評価のありかたと評価問題の作成−

学習指導部 関 博之

1.高等学校国語科における評価のありかた

 「高等学校学習指導要領 第一章 総則」の「第7款 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」の中に、次のような記述が見られる。

(7) 指導の成果を絶えず評価し、指導の改善に努めること。

 これを受けて、「高等学校学習指導要領解説国語編」(昭和54年)には、下のように述べられている。
 (7)は、評価について示したものである。評価は、生徒の実態や学習の状況、その進歩の程度などを把握して、実際行った指導の内容や指導方法が適切かつ有効であったかどうかを反省し、その後の学習指導を改善するのに役立てるためのものである。

 評価の観点は、国語科として設定した目標及び指導事項に関して立てられるもので、具体的には、どのような活動を通して国語の能カと態度が一人一人の生徒にどの程度身についたか、を押さえることである。評価の主体はもちろん教師であるが、生徒の自己評価や生徒間の相互評価も適切に取り人れていくことも望ましい。また、評価は学習指導のまとめの段階で行うばかりでなく、指導に人る前の段階や学習活動の過程においても行う必要がある。そのように評価を継続的かつ広範囲に行い、総合的な見地からまとめて生徒の学習評定を行い、それをまた、国語科の指導改善のために役立てていくのである。

 評価の方法として学期末のテストだけに偏ることは避けなければならない。質疑応答や発表・報告、提出ノート、レポート、課題作文などによって、平素から多角的に生徒の能カや態度を評価するようにしたい。こうした評価の結果に照らして、生徒のつまずき、又は向上の原因がどこにあったかを的確に押さえ、次の指導計画や授業に資するようにすることが大切である。

 これら一連の評価活動は、評価の目標を明確にして指導計画の中に組み入れ、組織的に行うことが望ましい。更にこれは、一人一人の教師の問題にとどめず、それぞれの学校の国語科教師全体の課題として工夫を重ねていく必要があろう。各学校で特色ある国語の指導を展開するためにも「指導の成果を絶えず評価し、指導の改善に努めること。」というこの事項は十分配慮すべきである。

この解説は、高等学校国語科における評価のありかたを示しており、そのよりどころとなるものとして基本にすえておかなければならない。多角的に、また分析的に述べられており含意に満ちた表現がなされているが、これに考察を加えて(1)〜(6)のように整理してみた。

(1)評価の意義・目的
 評価は、常に生徒の学習状況を的確に把握するとともに、教師の指導が適切かつ有効であるかを反省するためのものである。

(2)目標分析と評価
 評価は、常に学習目標を基準とし、学習目標に即して行われていなければならない。学習目標が

図1 目標分析の手順
  図1 目標分析の手順  <参考資料と留意事項>
  • 学習指導要領
  • 指導書「総説」編の分析
  • 教科書「単元構成」の特色
  • 指導書「単元の解説」の分析
  • 教科書「教材」の分析
  • 指導書「教材の研究」
  • その他の資料
  • 必要不可欠なものにしぼる
  • 具体的すぎるもの、総合的な観点から評価する必要のあるものは、単一目標とする。
  • 目標達成のための行動の一つ一つの意味を明らかにする。
  • どのようなレベルでの能カを期待するのかを明らかにする。
  • 内容と能力のバランスを考慮して具体的な下位行動目標にしぼる。
 

 

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