福島県教育センター所報ふくしま No.82(S62/1987.8) -003/038page
あって学習計画や学習活動があり、評価活動があるのである。したがって、評価活動が分析的になされるためには、学習目標も明確な形で具体化され、細分化されなければならない。目標分析の具体的な手順は、一般に前ぺ一ジの図1のように示される。
(3)評価の観点、主体、立場(位置)
評価は、「評価の観点」、「評価の主体」、「評価の立場(位置)」などを考慮に入れ、継続的かつ広範囲に行い、総合的な見地からなされなければならない。
- 「評価の観点」は、単元の目標に相応し、指導事項が教材内容に即して具体化されるのに応じて、分析的、具体的に示される。国語科では、「理解の能力」、「表現の能力」、「言語に関する知識」、「国語に対する関心・態度」の四つの観点が設けられている。
- 「評価の立場(位置)」については、次の三つの段階で示している。
・指導に入る前の段階(生徒の実態)⇒診断的評価
・学習活動の過程(学習の状況)⇒形成的評価
・学習活動のまとめの段階(進歩の程度)⇒総括的評価(4)評価の方法
(5)指導の改善に生かす評価
評価の方法は、学期末のぺ一パーテストだけに偏ることなく、平素から多角的に生徒の能力や態度を評価しなければならない。
評価は、「次の指導計画や授業に資する」とも述べられており、次の段階での指導をいかに為すべきかという判断を示すものとして、指導と密接につながっているものである。(6)評価活動の組織化
以上のようにまとめられるが、下掲の図2「評価のねらいと指導の改善」は、「解説国語編」の意図するところを、「解説」本文の表現を用いて構造化したものである。試案なので不備なものではあるが、評価の持つ意義やその重要性、指導と評価とのかかわりなどがうかがえるように思う。
評価活動は、評価のねらいを明確にして、指導計画の中に組み入れ、組織的に行うとともに、常に国語科教師全体の課題として、工夫を重ねていく必要がある。