福島県教育センター所報ふくしま No.82(S62/1987.8) -004/038page

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2.評価問題作成のしかた

 ―小説教材『物と心』における目標分析を通して―

(1)教材
国語I 単元 小説『物と心』(小川国夫)

(2)目標分析と評価問題作成の手順

国語Iの「目標」の確認
(高等学校学習指導要領)

 国語を的確に理解し、適切に表現する能力を養うとともに、言語文化に対する関心を深め言語感覚を豊かにし、国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。

国語Iの「内容」の検討
(高等学校学習指導要領)

 小説内容とのかかわりを中心に学習指導要領の内容を検討する。
小説内容とのかかわり
 ↓
【文学的文章の指導内容】
1.主題を叙述に即して的確にとらえる。
2. 人物、情景、心情を表現に即して読み味わう。
3.自分なりの意見を持つ。(考えかたを広くし、深めること)
4.表現上の特色、文体の特徴に注意して読む。
5.語句・語彙を豊かにし、常用漢字の読み書きができる。

小説単元の学習目標

    
 

1.作品に描かれた情景や人物の性格心理を表現に即して読み取る。
2.作品の構成と展開を通して、作者が表現しようとした主題を考える。
3.短編小説を読み、表現上の特色を理解する。
4.優れた文章を読み、文脈の中から語句や語法を正しく理解する。

『物と心』における行動目標の設定

 

1.段落相互の関係をつかむことにより、短編(掌編)小説の構成、展開を理解することができる。
2. 「物」に触発され、微妙に変化していく主人公の「心」の動きをつかむことができる。
3.作者が『物と心』において何を描こうとしているかについて、構成理解、心理理解の上にたって考え、更に題名との関連においても考えることができる。
4.表現の優れているところ、感性や感受性が個性的に表現されているところを指摘し、描写の的確さや文体の特色を理解することができる。
5.難解な語句や表現について正しく理解し、また正しく音読することができる。
6.『物と心』と同系列にある『海鵜』などの半自伝的作品("浩もの")を読むことにより、作者の人生観、人間観を理解することができる。

『物と心』における下位行動目標の設定

 

【『物と心』本文の第2段落の例。上記の各目標の下線部(_部)との関連から。】
1.浩の心理と行動の流れ―「後悔」⇒「羨望」⇒「牽制され、負けていく」⇒「見せかけの没頭」⇒「コンプレックス」―を読み取ることができる。

『物と心』における総括的評価問題の作成

【上記の下位行動目標との関連作問例】
《その1》

 

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