福島県教育センター所報ふくしま No.82(S62/1987.8) -019/038page
〔3〕追究の手だての実践
第3学年において工夫した実践例
A 「問題意識をもって、物事を見ようとしているか」について。
a 単元名「風車」
b 育成すぺき内容を追求するための具体的手だてとその実際自分の用意した材料で、自分の構図に従って製作した風車を、よく回るものにするためにはどうしたらよいかを、常に意識させるようにした。その結果、児童はよりじょうぶな材料、取り扱いが簡単なものを選択した上で羽根の大きさ、羽根の向き、羽根と心棒との関係などに気付くことができた。また、各実験の中でも、「どうしたらよく回るだろうか」「よく回したい」「よく回すためには………」という意識が終始児童の頭から離れず学習できた。
E 「主体的に目標を設定しているか」について。前時の実験をもとに、もっとやってみたいこと、調べてみたいことを自由に述べさせ、目標を設定した。このことにより、学習が与えられた目標でなく、自分たちで設定したものであるから、活動が生き生きしたものとなった。そして、授業が脱線するというむだもなくなった。
G 「問題解決にあたり、自ら工夫し的確に行動しているか」について。児童一人ひとりが、具体物を使って積極的に活動できるよう、自由に実験方法や材料を選択できるようにした。児童の考え方、物の見方に立った上で、予想される限りのものを用意しておくことが大切である。その結果、個人またはグループで、試行錯誤を繰り返し、目標に向かって学習が進められるようになった。
H 「学習したことを、次の学習に生かしているか」について。本時で学習したことのまとめをしっかり学級でした後、個人カードにもう一度、自分の言葉でまとめさせ、反復させる。このことにより学習したことがより明確になり、児童の考えも発展性があり、次への学習へ生かされていた。