福島県教育センター所報ふくしま No.82(S62/1987.8) -020/038page
c 実践による研究の成果
d 今後の問題点
導入時での児童への事象提示による疑問の投入は、おどろきや感動を与え、単元全体を意欲ある活動へと誘う。児童の「〜したら、〜するかな」、「〜してみたい」というつぶやきは、今までの「〜していいですか」という受身的な学習から、主体的学習へと変容したあらわれであろう。
活動や観察の結果のみに目を向けさせるだけでなく、変化の様子をくわしく観察させ"見る目"を養わせたい。
自然に関する単元では、提示したい自然現象がいつでも見られるとは限らないので、学習意欲がそがれてしまうことがある。こんな場合、教師の創意工夫により適切な教材の提示が必要である。
e 事後調査の結果と考察
3学年全体の変容
- 児童・教師共に、円が外へ広がり、バランスよく伸びていることがわかる。
- 理科の授業では、とくに問題意識を持って事象をとらえようとする目が養われてきた。疑問を持ったらすぐ調べてみたいという意欲へもつながり、児童の考えで授業が進み、次から次へと発展していくようになった。
(3学年の変容ダイヤグラフ参照)- 全体の中で特に評価の低かった児童2名のうち、1名は、事前とほぼ変らぬ平均値であるが円に近い。他者は、平均1.4の伸びを示している。特に、E・Gの項目で大きく伸びているのは指導の成果であろう。