福島県教育センター所報ふくしま No.82(S62/1987.8) -025/038page
<講座紹介>
「学習指導部関係講座」
学習指導部 五十嵐 康雄
学習指導部では、各教科及び道徳、特別活動の講座を担当しています。どの講座も、学校現場の要請をふまえるとともに、自己教育力の育成をテーマとして内容を構成しています。次に各講座の特色ある内容を中心に紹介します。国語
社会
講座の内容は、大きく三つに分けることができます。その一つは、中央から講師を迎えての充実した講義、例えば「主題認識の構造」の著者で有名な市毛勝雄先生、二つめは、県内各地区の先生方との情報交換としての協議、三つめは、演習として授業案作りや評価問題作りなどをしています。
小・中学校では、児童生徒の個性に応じた学習を目指し、形成的評価の手法を取り入れた「観点別目標分析の仕方」及び「形成的テスト問題の作り方」を進めています。高校では、小学校の授業参観を参考に、問題解決的学習を目指した学習指導案の作成に取り組んでいます。算数、数学
英語
「学習意欲」を育てる授業のあり方について協議し、小・中(1次)では、主体的な思考力を育成する指導案を作成し協議します。小・中(2次)・高では、S-P表を作成し、活用方法について研修します。さらに、所外講師により研修が一段と理論的に深められ、充実した研修となるよう講座に一貫性を持たせて実施しています。
「新しい指導法=Communicative Language Teaching」が英語教育の世界的潮流であり、当講座でも「実際に機能する」という観点から新しい理論、指導法、教材などを総合的に研修するとともに、「JETプログラム」による外国人講師との共同作業(Team-Teaching)の「実践と理論を研究しています。音楽
写真のような実技を中心に小・中・高それぞれの学習内容に応じた研修をしています。
図画工作、美術
この講座には、小・中・高の校種別に五つの講座があります。それぞれの講座では、例えば「水彩表現の基礎・基本」など明日からの授業実践にすぐに生かせる内容と幅の広い指導を展開するための基礎となる内容を合わせ、実技を通しての研修を中心に実施しています。体育、保健体育
道徳
この講座では、講義や実技のほかに小・中・高の各講座に授業研究を組み込んでいます。福島市内の各協力校における授業参観、それを基に研究協議を行うといった実践的な中身の濃い内容を盛り込み実施しています。
人間形成の視点から道徳教育全般にわたっての講義、指導上の諸問題を通しての研究協議、資料分析・活用の仕方・発問の工夫・全体計画の見直し等を中心にした演習が主な内容です。人間としての生き方を見つめ直すとともに日常の授業に直接役立つことをねらって実施しています。特別活動
以上のように今日的な要請にこたえるとともに、所員の創意工夫を生かし、特色ある講座の編成につとめ、おいでいただく先生方の研修が実り多いものとなるよう努力しています。
この講座は、特別活動の第一人者による特別活動のあり方についての講義や、自主的・実践的な態度の育成を図るためのよりよい指導法について明らかにしていこうとしています。特に、研究協議・演習においては、特別活動の目標達成の大きな原動力となる児童生徒活動や評価のあり方にテーマを絞り、指導上の諸問題をおさえた上で具体的な指導の方法を追究していきます。
なお、どの講座も教育相談講座―子どもの理解と対応―を取り入れております。