福島県教育センター所報ふくしま No.82(S62/1987.8) -026/038page

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<研修者の感想>

中学校英語講座に出席して

会津若松市立第四中学校

教諭  土屋 重憲

 私は、運がよく過去3回この講座を受講させていただいた。今回は、はからずも4回目の機会を得た。4回目であったが、新たな緊張感と感動のうちに研修を終えることができた。以下、その感想を述べてみたい。

 第1日目の研究協議「英語科学習指導上の諸問題」では、県内6ブロックの先生方の発表があり参考になった。特に、学校規模もさまざまで経験年数もベテランから初任者までと幅広く、大変興味深かった。意見の交換も活発で、それぞれ細かい部分での違いはあったが、いかにして英語に対する興味・関心を喚起し力をつけてやるべきか、ということに悪戦苦闘しているようすは共通のものがあった。具体的には、能力差の問題、下位生徒に対する指導のし方、塾通いをしている生徒の扱い方とか、よく出る問題が多かった。中でも印象的だったのは、これも今に始まったことではないが、学年が進むにつれて学習に対する姿勢が消極的になり、発表や音読のとき声が小さくなるという悩みを訴える先生が多かったことである。

 第2日目の講義「英語科学習指導上の諸問題」では、自己学習力の育成、指導計画の弾力化と工夫など今必要とされることを教えられた。そして、教師としての在り方と今後の英語教育の方向についての示唆に富む内容であり勇気づけられた。

 次の演習「マイクロテーチング」は,専門の先生方を生徒にしての授業実演であり、少なからず緊張した。持ち時間は8分と短かかったが、それぞれの持ち味がよく出て面白く参考になった。翌日の(VTR視聴)では、自分の日頃気づかないでいるくせなどが一目瞭然であり勉強させられた。

 午後の講義「英語の教え方研究」では、読むことの活動、書くことの活動、それから班活動を中心にしたものなど内容も豊富で極めて具体的であった。中でも印象的だったのは、私たちを生徒にして、講師の先生が実演して下さったいくつかのテクニックである。

 その一つに、読むことの活動を暗唱できるまでに高め、さらに実際の場面での表現活動にまで持っていくというのがあった。これなどは、現在私の授業で時々用いている。

 第3日目の午前中は、外人講師による講義や英会話演習であった。この時間は,生の英語に直接触れることのできる時間であり、こうした機会はまだまだ少ない現状なので大変貴重であった。

 「自分の英語力」をある程度試されることにもなるので、大変緊張した。同時に日頃の生徒の気持ちもよくわかる気がした。こうした緊張感を味わうことは、日本人である私たち英語教師にとって極めて大切なことであり、必要なことと思う。国際化時代の中で、今後ますますこの種の研修は重要になってくると思う。

 午後の講義・演習「英語科における関心・態度の評価の在り方」では、今後考えていかなければならないことについての種々のヒントを与えられた。今までは、どちらかというと認知面・技能面における学力・指導法の研究が主であった。「関心・態度」については極めて主観的な部分で処理されることが多く、「情意面の学力」という捉え方を教えられたことは大きな収穫であった。

 知性は「感性」によって支えられるのであるから、授業の内的活性化を図り、真の学力をつけさせるためには、この部分へのアプローチが極めて大切になってくると思う。

 3泊4日の研修の一こま一こまは、すべて私どもにとって有意義なものであった。

 特に英語教師は、日常使わない「英語」を教えるのであるから、不断の研修が必要とされる厳しい職業であると言える。とはいっても、忙しい日常の中ではなかなか思うにまかせないことが多い。この意味において、この度の研修は誠に貴重な時間であったと思う。機会があれば、何度でも参加させていただき勉強したいと考えている。

 

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