福島県教育センター所報ふくしま No.83(S62/1987.10) -005/038page
2.自己評価、相互評価の評価票の例
次に、指導計画に位置づけて行われる評価票の一部を、例として示す。【自己評価に関する主な項目】
- あなたの委員会は、どんなことをめあてに活動すればいいか知ってますか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない- あなたのやる仕事の内容がわかりましたか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない- あなたは、活動計画を立てるわけがわかりましたか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない- あなたは、希望や意見をもって話し合いに参加しましたか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない- あなたは、意見を進んで発表しましたか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない- あなたは、計画を立てるとき、これまでの活動を反省してもっとよくしようと努力しましたか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない- これからの仕事をどのように進めていけばいいかわかりましたか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない- 早く活動したいと思いますか。
( )はい( )いいえ( )どちらともいえない
【相互評価に関する主な項目】 (4)自己評価、相互評価実施上の留意点
- あなたの委員会の友だちは、みんな協力的な、よい友だちだと思っていますか。
( )はい( )いいえ( )わからない- あなたの委員会の委員長について、あてはまるものがあったら、いくつでも○をつけてください。
( )もっとさしずして仕事をすすめてほしい。
( )もっとまかせてやらせてほしい。
( )もっと意見を取り入れてやってほしい。
( )もっと自分から進んでやってほしい。
( )気が合わないのでやりにくい。
( )いまのままでよいと思っている。
- あなたのグループの友だちの中で、あてはまる人がいたらその人の名前をかいてください。
・困ったとき相談できる人は誰でしょう。
( ) ( )
・みんなの先に立って世話をする人は誰でしょう。
( ) ( )
・自分から進んで仕事を引き受ける人は誰でしょう。
( ) ( )
・自分の仕事をきちんとやる人は誰でしょう。
( ) ( )
・誰とでも仲よくし、みんなと協カする人は誰でしょう。
( ) ( )
児童生徒の自己評価、相互評価を計画的、継続的に行わせ、効果あるものにするには、次の点について指導することが必要である。
これらのことを必要に応じて随時適切に指導し、評価活動が学習活動に生かされるような経験を児童生徒に持たせ、満足感、充実感を味わわせることが大切である。また、教師自身としては、次の点を十分把握し理解しておくことが必要である。
- 評価のしかたには、さまざまな方法があることを具体的に理解させる。
- 評価の観点や基準を具体的な行動例などによって明確にさせる。
- 評価の場面や機会について、評価の方法と関連させてはっきり理解させる。
- 評価の整理のしかたや解釈上の注意を具体的に理解させる。
- 評価の結果をどのように生かせばよいかを理解させる。
- 自己及び集団の活動状況や問題点の具体的把握
- 人間関係(相互作用の活発化、相互理解の深まりなど)についての問題点の把握
- 学習活動の内容、方法、過程についての問題点の把握及び分析
- 個人及び集団の目標の理解と達成度の把握
- 話し合い、ロール・プレイ、面接、作文、個人ノート、グループノート、班新聞、学級新聞などの意義や活用のしかたなど。
4.おわりに
特別活動の実践上の課題の一つとして、特別活動における評価の重要性が叫ばれてから久しい。しかし、評価への対応については、いまだに十分とは言い切れないのが現状でないだろうか。現状を打破するため、私たち教師は、特別活動の教育効果を上げるためには避けては通れない評価の在り方を探るために、前向きの姿勢で望み、教育実践の場を通して思考し、更にその定着を図るべく努力をしなければならない。
ここでは特に、特別活動は、いわば人間形成の過程そのものを重視するということを基本にすえ、児童生徒の主体的活動の育成の視点から、評価の主体者を児童生徒としてとらえることの重要性について触れてきた。また、その評価活動はどうあればよいかについて考えの一端を述べてきた。しかし、まだ多くの問題が残されている。今後、更に研究を深めていきたい。く参考文献>
・特別活動各論(岡本孝司著:教育開発研究所)
・特別活動の指導と評価(時松茂親著:図書文化)
・指導と評価(日本教育評価研究会編)
・特別活動指導の実際(県教育庁義務教育課編)
・特別活動実践論(杉田儀作著:ぎょうせい)