福島県教育センター所報ふくしま No.83(S62/1987.10) -006/038page

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<所員個人研究>−高等学校・化学−

S−P表による授業分析と授業のシステム化

学校経営部  斎藤 洋一

1.はじめに

 「教育工学」ということがいわれるようになって久しい。大学でも講義の中に取り入れられるようになってきた。しかし、教育工学の考え方や研究・実践の方法についてはまだ明確に理解されていない面が多い。

 本稿では「教育工学とは、教育課程実施に関わるあらゆる問題・要因を最適に組み合せ、教育効果を最も効率的に具体化する実践学である。」と受け止めたい。そもそも、教育工学は、システムエ学の手法を取り入れようとしたものであるが、現在のところ工学という語からは視聴覚機器の操作に関わることであると理解している向きがないとはいえない。

 そこで、ここでは、教育工学的手法による授業分析と授業のシステム化についての研究の一端を述べてみたい。

2.研究の方法と対象

(1)S-P表による授業分析
 当センター科学技術教育部情報処理教育係で開発したS-P表プログラム(富士通FM16β用)を使用した。

(2)授業分析の対象
 県立高等学校の二年生女子45名を対象とした。

3.研究の概要

 高等学校化学の授業についてパソコンを用いた授業分析による授業改善の研究を進めてきた。ここでは、その一つの方法としてS-P表を用いた授業分析とその結果に基づく授業のシステム化の例をあげることにする。これまで「原子の構造」「電子配置」「原子量」「結晶の性質」についてのS-P表による授業分析を試みた。その結果、指導した学習目標・学習内容と達成度テストの内容がよく対応し、学習不安定な生徒が少なかったので、指導は適切であったと判断した。しかし、今次の「化学結合」「気体の

図1
図1 S-P表

 

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