福島県教育センター所報ふくしま No.83(S62/1987.10) -008/038page
度に応じてどのようにでも授業を進めることができるようになっている。ここでつまずいている生徒には、ここを学習させてみようとか、ここを確認するためには、こんな質問をしてみようかというような適切な指導のバリエーション(複数の指導案)が多い。このバリエーションを多く持っている先生ほど個に即した指導ができているといえる。
システム化の手順について示したのが図2である。指導計画では、指導内容の順序、指導方法の順序、授業の実践の順序になろう。特に気をつけたいのは、教師が何を指導するかという指導目標とその目標に迫るための下位目標(下位目標行動の設定)を立てることであろう。そして、指導過程の流れ(指導過程のアウトラインの作成、直線型プログラムの作成)を作り、そこに、分岐型の授業の流れを加えていくのである。指導の経験のある先生はどこで生徒がつまづくかが分かっているので、分岐型のところは考えやすいものである。また、場に応じてシステムの変更を考えることも必要であろう。(2) 指導計画表の概略
授業のシステム化の手順をふまえて作成した指導計画表が図3である。高等学校学習指導要領理科編では、「自然界にある物質が学校で扱う物質と違って、不純なもの、混合物が多いことを考慮し学校において学習する物質と自然界にある物質とのギャップを化学の学習によってうめ…混合物の取扱については、混合物は、純物質と比較しながら混合気体、溶液、コロイド溶液について、それぞれの性質を理解させる。気体の分圧