福島県教育センター所報ふくしま No.83(S62/1987.10) -019/038page

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結果の表とグラフ

ウ 単元全体の指導が終了した後の調査

問題場面

樹形図を活用する

多角形の辺と対角線のある図を活用する

表を活用する

どれでもよい

1.順序を調べる場合の数

79

0

13

8

2.組み合わせを調べる場合の数

39

37

16

8

3.組み合わせと勝敗の成績を調べる

0

0

92

8

* 数字は、%(百分率)を表す。

4.  結果の考察

ア. テストの問題配列は、順にやさしいものからむずかしいものへとなっているので、問題番号「1」と「2」の事前テストの正答率が高い。

イ. 問題番号「6」は、題意を正しく理解していない面があったためか、事後や把持テストの正答率が低い。

ウ. 落ちと重なりをくらべた場合、落ちによる誤答が多い。ねばり強さや細かい点まで目を向けて学習していく態度に欠けているためと考えてよい。

エ. アンケート調査によると、全般的に表よりも図を活用していくよさに気づいている。ただし、球技大会のリーグ戦で組み合わせや勝敗の成績を調べる場合には、表を使ったほうがよいと反応している。

(3)  結論

 1. 表には表のよさ、図には図のよさがあるので、二者択一にどちらがよいかと決めつけることには、大きな問題がある。
 したがって、それぞれの問題場面に応じて図や表を工夫して作り、活用していく能力を身につけさせておく必要がある。

2. 大人になればなるほど、念頭操作で問題を処理していくことが多くなってくるが、図や表を使って合理的に、ミスをなくして処理していくことの価値を見のがしてはいけない。

3. 起こり得る場合を順序よく調べる能力は、算数科のねらいばかりでなく、根気強くやりぬくなどの人間形成の面まで生きてくる力であると考えられる。

5.反省と問題点
(1) 順列や組み合わせを調べる場合に図表を活用していく研究であったが、図形化という立場から見ると、もっと多種多様の図表が考えられるだろう。よって、さらに進んだ研究が必要となってくる。

(2) 児童自身が図表を作れるように仕組んだ指導計画であったが、指導者自身も図表を工夫して作っていくという姿勢が大切であることを児童から学びとることができた。

6.参考文献
○教育研究のすすめ方・論文のまとめ方 (福岡県教育研究所連盟)
○小学校指導書・算数編 (文部省)
○S-P表の活用・小学校編  (明治図書)
○統計グラフの作り方 (財団法人・農林統計協会)

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