福島県教育センター所報ふくしま No.83(S62/1987.10) -027/038page

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プロジェクト研究報告

「基本・基礎の定着と個性の伸長に関する研究」

学習指導部

1.本研究の趣旨

 昭和61年10月に教育課程審議会は、時代の進展や学校教育の現状、これまでの教育課程実施の経験などを考慮するとともに、臨時教育審議会の答申や中央教育審議会の教育内容等小委員会審議経過報告を踏まえ教育課程の基準の改善に関する基本方向について「中間まとめ」を発表している。

 「中間まとめ」では、21世紀に向かって、国際社会に生きる日本人を育成するという観点から、「国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図るとともに、自ら学ぶ意欲をもち社会の変化に主体的に対応できる、豊かな心をもちたくましく生きる人間の育成を図ることが特に重要である」とし、教育課程の基準の改善のねらいとして次の4つの柱を掲げている。

(1) 豊かな心をもち、たくましく生きる人間の育成を図ること
(2) 自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を重視すること
(3) 国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ること
(4) 国際理解を深め、我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を重視すること

 本研究は、この4つの柱の中で特に(3)の内容を受け、学習指導の改善という視点から、個性重視の原則に立ち、基礎的・基本的な内容を身につけさせる過程を通し、更にそれを基盤としながら一人一人の個性を生かし伸ばす学習指導の在り方を追究することにした。

2.研究計画

 この研究は、62年度より3年計画で行うものであり、今年度はその第1年次である。

 第1年次は、基礎・基本と個性に関して文献による理論研究を進め、今後の研究の方向づけのため、県下の小・中・高等学校の教師を対象として、「基礎・基本の定着と個性の伸長」についてアンケートによる実態調査を実施し、研究仮説を設定する。そして、その内容を紀要として刊行する。

 第2年次は、第1年次に設定した研究仮説に基づき、研究協力校において授業による検証を行う

 第3年次は、第2年次の研究結果を基に、研究を深めテーマを追究する。

 なお、3年間の研究の進め方は、下の図の手順で行うことにする。

研究の進め方

3.本年度の研究

(1) 理論研究
 研究の初めに、教育内容における「基礎・基本」とは何か、「個性」をどのようにとらえたらよい 

 

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