福島県教育センター所報ふくしま No.84(S62/1987.12) -006/038page

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<所員個人研究>―(高等学校・英語)

動き始めたTeam―Teaching

学習指導部  菅野  暁

なぜT-Tなのか?

 英語教師間における最近の話題は、外国人講師導入のことである。新聞などマスコミでも外国人講師のことを盛んに取り上げ、今ではすっかり"時の人"になってしまっている。しかし外国人講師といっても、3月まではMonbusho English Fellow(MEF)やBritish English language Teachers and Assistant(BETS)として、学校訪問をしたり、特定の高校で語学指導などにあたっていたし、特に注目される人たちではない。が、この8月以降外国人講師との共同作業(Team-Teaching)に対する関心が急激に高まってきているのは、Japan Exchange and Teaching Program(以下JET)により、本県にも19名のAssistant English Teacher(以下AET)が招致されたためである。このJETとは、従来のMEFとBETSが発展的に解消してできたものであり、両者を比較するのにJETの職務内容をみると

JETの職務内容

になる。MEFはJETにおける1(丸囲み)、BETSは2(丸囲み)にあたる。これからも明らかなように、JETによるAETが本質的には、MEFやBETSとなんら変わるものではない。教師間に話題を提供しているのは、量的に拡大しているためと、従来の外国人講師の大部分がMEFであり、BETSはわずかだったのが、JETによるAETはほとんどが、2(丸囲み)の職務内容であるという理由による。つまり、「一過性」の学校訪問(One shot school visit)から「恒常的」な共同作業(Team―Teaching)へと活用方法の変化が求められ、更に「週3時間」(中学校)・「受験指導」・「国際化」・「コミュニケーションとして役立つ英語」など従来のいくつかの問題と切り離して考えられないからである。そこで、この試行錯誤の連続であるAETとのT-Tについて実際に行われたT-TのTeaching procedureを通して、現在予想されるいくつかの活用方法を考えてみることにする。

T-Tの実例とその考察

1.One shot schooI visitの場合
 高校関係で県下に配置されているAETは5名(福島女子高・福島南高・相馬高・郡山高・会津女子高)おり福島南高のAETを除いてはその管内でSchool visitを行っている。したがって大半の高等学校におけるAETの活用方法はOne shot school visitということになる。One shot school visitの場合は、ふだんの授業と同じ方法、内容で進めるのは難しいので、どうしてもAET中心の"give free rein"になりやすい。この場合に注意しなければならないこととして、

  1. "give free rein"であっても、依頼する指導内容を明確に、そして要領は具体的に説明すること。
  2. 生徒がAETの話が理解できない場合でもInstructorは通訳するのでなくAETに他の易しい表現を求めたり、根気よく待つこと。


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