福島県教育センター所報ふくしま No.84(S62/1987.12) -011/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

<教育相談> 紙上カウンセラー講座

教育相談へのいざない(9)

―行動療法の基礎―

教育相談部   斎藤 健一  小林 淑人

今、これを読んでいる先生にお伺いします。

 どのような格好で読んでいらっしゃいますか。
こたつに入りくつろぎながら、それとも、机に向かいイスに腰掛けながら。

 足はどのようにしていますか。
きちんと両足をそろえている。それとも、組んだり、長くのぱしたりしている。

 もしかしたら、本を読んだりするときには、たいていそのようにしてはいませんか。きっと同じような姿勢(行動)をとっているのではないのでしょうか。

 だとしたら、いつ頃から、どんなきっかけで、その行動が身についたのでしょう。こんな疑問に答えられるよう、行動というものが、どのような過程で形成されるのか、行動療法を知る前に、まず考えてみたいと思います。

行動はどのようにして形成されるのでしょう。

 例えば、担任の先生を見ると、すぐニコニコするという行動が身についている子供の場合

図−1
図−1

 理由の一つとして、学校で担任の先生に対してやさしくされたり、いっしょに遊んだりする体験を通して先生が好きになり、先生を見ただけでニコニコするようになることが考えられます。このことを刺激と反応(行動)の関係で見ると次のようになります。

図−2
図−2

 このように、二つの刺激(先生、遊ぶ)を組み合わせて、繰り返し与えることにより、はじめは無関係だった刺激(先生)と反応(ニコニコする)が結びつき、新しい行動が形成される過程を 「古典的(レスポンデント)条件づけ」 といいます。

 また、行動は次のようにして形成されるとも考えられています。

 例えば、毎日予習をするという行動が身についている子供の場合


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。