福島県教育センター所報ふくしま No.84(S62/1987.12) -020/038page
研修者研究報告―(学校経営A講座)
教育課程における教育目標具現施策の改善
原町市立原町第二中学校教頭 大槻 邦雄
1.研究の趣旨学校において設定された教育目標は、全ての教育活動を通して、意図的計画的に実現していかなければならないが、現状では、その目的を十分に達成しているとは言い難い。特に、教育活動の中核である教育課程の実施において、目標具現の活動がよく行われていないという反省が多い。このことは、日常の教育活動の状況からだけでなく、学期末、学年末の評価結果からも指摘され、本校の教育の課題になっている。この目標具現の活動が十分行われない原因として、本校では、次のような問題点が考えられた。
(1)企画立案の面から(2)教育課程実施の画から
- 教育目標設定の趣旨が、全職員に十分浸透していないため、目標到達のための実践すべき内容が、各種の指導計画に組み込まれない。
- 目標具現の計画の吟味が不十分で、日常における実践内容が明確になっていない。
(3)評価活動の面から
- 各種の指導計画の間の関連性が十分検討されていず、各領域、各分野の実践に統一性がなく、一貫した目標達成の活動が成立しない。
- 指導事項の展開に工夫が少なく、教育活動がマンネリ化している。
以上の問題点から、統一的な実践活動が成立しない原因は、目標を達成するための、各種の計画を統一した。全職員が共同体制で日常の教育実践に取り組めるような指導計画がないためと考えられた。この状況を改善するためには、日々の教育活動に視点を置き、評価反省を加えながら改善を図り、毎日の実践を積み上げて目標達成を目ざす月ごとの教育計画を作成することが必要であると考えた。
- 教育課程実施の反省と評価が、学期末学年末に集中し、現実的な評価反省が生れてこない。
- 評価結果から問題点を洗い出し、指導計画や指導方法に結びつける作業が不十分である。
2.研究の見通し
3.研究の方法と対策
学校における各種の年間計画や目標具現の計画を統合し、日常の教育活動に視点を置いた教育経営計画を作成して、評価反省を加えながら実践するならば、全職員の共通理解による実践活動が行われ、年度の目標の到達が可能になる。
(1)研究の方法(2)研究の対象
- @教育目標具現に関する文献研究
- A実態調査と問題点の把握、研究資料の収集
- B月別教育経営計画の作成と活用推進
- C教育経営の活用状況の調査分析
- D教育経営計画と考察
4.研究の結果と考察
- 本校職員34名
- 本校生徒約260名(各学年2学級)
(1)教育目標具現の調査と問題点
1.教育課程
ア 編成段階 (P)3.8 (+0.3)