福島県教育センター所報ふくしま No.84(S62/1987.12) -024/038page
合は、生徒に密着したきめの細かい指導が成立していないこと、部活動交代期における対応や、季節の変化に対応する指導計画が適切でなかったこと、実践への具体化が不十分であったことがあげられた)
(6) 評価結果の考察※5段階評価
<考察>全体として、形式や内容ともに適切で、職員の意向を十分反映している。という評価結果が得られた。教育計画は、学校の教育活動のよりどころとして活用され、生徒の望ましい変容も期待できるとされている。しかし、領域間の評価は、計画、実施、評価の順で下がっており、当初意図した実践活動の強化は十分と言えない。又、教育活動の中心である三領域への活用は平均値以下で、学校教育の最も重要な部分で十分な成果が上げられていない。
2.教育経営計画活用の状況
領域名 活用内容(%) 活用度 順位 あまりない ときどき いつも 1 経営の視点 24 66 10 6.2 4 2 教育目標群 38 55 7 5.6 6 3 指導の重点 32 61 7 5.8 5 4 努力実践事項 19 64 17 6.6 2 5 行事計画 13 59 28 7.2 1 6 その他の欄 25 56 19 6.5 3 平均 25 60 15 6.3 <考察>
5.今後の課題
教育経営計画を、活用の頻度の面から調査したが、領域によって重点の置き方や活用のし方に軽重がみられる。教育活動を進めるための事務的な事項(行事実施計画やその他の欄の連絡事項)の活用度は高く、教育実践に直接結びつかない教育目標群や指導の重点は低い。努力実践事項は、計画作成等、実践化に深くかかわっていることから、活用度が高くなっている。努力実践事項における各領域間の評価は、生徒指導面の活用度が高く、道徳指導面に低い。
教育経営計画は「計画されたことが十分実施されず、教育効果に結びつかない」という反省に基づいて作成された。年間指導計画に対するフォロー計画である。日常の実践活動を推進するために作成されたという意図が、教育活動の実践過程に反映されていなければならないが、このことは、評価結果から見て一応成功していると考えられる。しかし、評価内容を検討してみると、活用の方法が表面的で、生徒を変容させる力として十分機能していない面がある。今後は、学校経営全体の調和を図りながら、この計画をどう消化し、質的に深めていくかが課題として残されている。6.参考文献
学校経営に関する研究――福島県教育センター編