福島県教育センター所報ふくしま No.85(S63/1988.2) -006/038page
<所員個人研究>
県内小・中学校における教育研究活動の動向と課題
学校経営部 小 島 長 三
「所報」81、82号には、今年度の県内公立小・中学校の現職教育研究主題が掲載されている。これをみると、県内各校では多様な教育研究活動が行われていることが分かる。
ここでは、「所報」の研究主題一覧をもとに、県内小・中学校における教育研究活動の動向と課題について考察してみたいと思う。1.県内小・中学校における教育研究活動の動向
(1)研究の領域について
表1から分かるように、ここ3年間の研究領域のバランスはほとんど変化していない。小学校では、教科領域がいずれの年度も約75%を占めており、教科中心の傾向がみられる。中でも、国語は約23%、算数は約20%と両教科が群を抜いで多くなっている。学習指導一般や複数教科の組み合わせの中にも、国語、算数が入っているので、実態はもっと多いと思われる。学校において国語、算数が研究教科として多く選択される理由としては、教科時数が多い、ほとんどの教師が担当している、基礎学力として重視しているなどがあると考えられる。国語、算数を除いた教科については、社会、音楽、家庭などが極めて少なく指定研究以外は取り組みが消極的になっているようで、今後の課題となりそうである。その中では体育が増加傾向にあるが、学校生活の基盤としての体力づくりなどが重視されてきた結果によるものと思われる。
中学校では、教科全体を包括する学習指導一般