福島県教育センター所報ふくしま No.85(S63/1988.2) -009/038page
<教育相談>紙上学校カウンセラー講座
教育相談へのいざない(10)
―自律訓練法の基礎―教育相談部 岩城 教夫・遠藤 和夫
今回は、「自律訓練法」についてお話します。以下は、中学生を対象に「自律訓練法」を教えていく形を取りながら、合わせてそのポイントをまとめたものです。(T=指導者、C=中学生)
「自律訓練法」の指導場面 ポイント C:先生、僕はとてもあがりやすくて試験やサッカーの試合の時など、思うように力が発揮できないんですけど、何か良い方法がないでしょうか?
T:うん、「自律訓練法」と言うのがあるよ。
C:「自律訓練法」って何ですか?
T:それはね、人間の心と体は密接に関連があって、気持ちが緊張すると体の筋肉も緊張するわけね。だから、逆に筋肉の緊張をリラックスさせることによって、気持ちの緊張もリラックスできるわけだけど、これを自分で訓練していくのが自律訓練法なんだ。(1)
君のように、不安が強い場合には、きっと役に立つと思うよ。それに、健康の回復や増進にもいいし…。(2)
C:どんなふうに練習するんですか?
T:うん、自律訓練法は7段階から出来ていて、一歩一歩階段を昇るように自分で練習を進めていくんだ。それぞれの段階ごとに決められた言葉があって、それを頭の中でつぶやくように繰り返していくわけね。
C:なんか、催眠術みたいですね。
T:そうだね。まあ、一種の自己暗示で催眠術みたいだけど、自分で自分をコントロールする点が違うね。それに、皮膚の温度が上がるなど、生理的な変化も実際に起こるんだ。
C:どうして皮膚の温度が上がるんですか?
T:いい質問だね。それは、…(右の図(3)参照)