福島県教育センター所報ふくしま No.85(S63/1988.2) -017/038page

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(4) 研究のまとめ

  1. 学年担任が共通理解を図って、同一歩調で意図的・計画的に指導にあたったこと、そして保護者の啓蒙を図り、連携し合って指導にあたったことが学年の協力体制を強め、指導の成果を上げた要因と考えられる。
  2. 道徳、各教科の指導、毎日の生活における指導とを関連づけて具体的な場で指導したのは効果的であった。
  3. 同じ活動、同じ体験の場を意識的に設定することによって子供達の交流を活発にし、教え合い、励まし合い、認め合い、助け合うことを通して楽しさや喜びを共有し、共感し合うことは「思いやりの心」を育て、あたたかい人間関係を育てる。
  4. 学年だより、学級だより、また学年懇談会、学級懇談会、教育相談を通して保護者の啓蒙に努め「思いやり」についての理解を深め、児童の「思いやりの心」を育てるのに役に立った。
  5. あれもこれもと指導するよりも、何かに焦点をあてて指導していくほうが身につくし、効果的である。

5.今後の課題

  1. まだ、ほめられることを期待して「思いやりの行動」をとる児童が見られるので、これからも継続して指導し、友達のためになりたいという真心で行動できる児童に育てたい。
  2. 「思いやりのある行動」と「おせっかい」との区別がよく分からない面もあるので、その点をきちんと指導すると共に、「思いやり」と「きびしさ」ということもあわせて指導していきたい。
  3. 今までは、主に学級という生活の場での行動が中心であったが、これからは学級というわくをはずした所でも「思いやりの行動」がとれるようにしていきたい。
    学年、学校という場、家庭、また学校や家庭をはなれた場においても自然に「思いやりの行動」がとれるようにしていきたい。
  4. 対人間関係ばかりでなく、動植物や公共物に対しても「思いやり行動」がとれるよう、考え方や行動の幅を広げていくようにさせたい。そして、学校や地域を大切にするという学校愛、郷土愛にまで高めていきたい。
  5. 保護者への啓蒙をさらに強化し、一体となって指導していきたい。
    学年だより、学級だよりを継続して発行し、親としての考えや声も聞き、参考にし共通理解を図りながら指導を深めていきたい。そして、思いやりのある心やさしい児童に育てていきたい。

6.参考文献


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