福島県教育センター所報ふくしま No.85(S63/1988.2) -022/038page
前述した4項目について右の式に示す数式によってそれぞれ有効度指数を求め「モラールの高揚を評価する観点」についてのプロフイールを作成し、「週学校運営計画」による本校教職員のモラールの変容を分析した。
※有効度指数=
事後調査度数 ×100 事前調査度数
観点 事前得点 事後得点 有効度指数 1 職員会議への参加意識 47点 50点 106.4 2 校務分掌遂行意識 73点 73点 100.0 3 校内研修参加意識 70点 71点 101.4 4 コミュニケーション意識 63点 67点 106.3 イ. 第二学期末「学校経営反省会」からの事項
※「人間関係」領域からの主な内容※「個人の満足度と意欲」領域から
- 共に歩む姿勢が各先生方にみられた。
- 年ごとに、教師間のラポートがよくなってきている。さらに、努力したい。
- もっと、自分の意見を出して欲しい。
- 学校で仕事をするのが楽しい。現在、進めている仕事に意欲が出てくる。
- 努力をすることにより成果があがり、満足できるということを、生徒も教師も除々にわかってきたように感じられる。
- 忙しい毎日だったが充実していた。(以下 略)
4. 意識の変容についての考察
ア. 本校教職員のモラールの高揚についての教識の変容を「プロフィール」からみてみると、「校務分掌遂行意識」については有効度指数が同じであり、有効性は認められなかったが、「職員会議・校内研修・コミュニケーション」意識には有効性が確かめられた。特に「コミュニケーション意識」の変容が大きい。これは、本校職員に関するエッセイ・トピックス等を紹介することにより、職員相互の理解・近親感が深まりコミュニケーションのきっかけになったものと思われる。勿論、本研究の実践場面は限られているので、研究の結果と結論づけることは早計であり、本校の種々の教育活動が有機的に作用した結果と考えることが必要であろう。※ 学校経営反省事項から本校職員のモラールについて「人間関係・個人の満足度と意欲」領域から考察すると大変望ましい傾向にあることがわかる。これについても、上記のように、種々の教育実践の結果と思われるが、研究として取り組んだ「週学校運営計画」もモラールを高揚する一方法となり得ることができたのではと思われる。
5.今後の課題(1) 教職員のモラールを高揚し、人間関係をより望ましいものとし、コミュニケーションを活発にするためには、週一度の「学校運営計画」では紙面的に質・内容ともに限界があるため、広く職員の意見を集約できる広報活動を研究していく必要がある。
(2) 教育情報欄の内容が形式的・マンネリにならないよう、また、興味・関心・意識の高揚をはかれるものとなるよう作成者自身の研修を深めるとともに、職員の協力を得られるよう組織の検討も必要である。(3) 職員会議等の決定事項を日常の実践活動に位置づけるためには「週学校運営計画」でチェックしていくことが大変効果的であったので、今後とも、意図的・計画的に作成するよう一層の改善・研究をしていく必要がある。
(4) 作成した「週学校運営計画」に実際に実施した結果などを記録し、集積していけば教育課程の管理にも有効と思われるので、今後は、「学校運営計画」の作成―実践―反省のサイクルについて研究を深めていきたい。