(3)パーソナリティーの内容(指向的側面)
1 静的行動を好み,体を動かすなどの動的行動には消極的である。
2 依存的である半面,干渉されることを極度に嫌う傾向がある。
3 空想の世界を好み,関心は精神的なものになっている。
4 欲求が抑えられているためか,「大人になったら好きな事をやる。」「今できないことをやってやる。」等の反応が多い。逃避して自己を満足させているようにも思える。
(4)パーソナリティーの内容(力動的側面)
1 活力レベルが低下し,心身の不調を訴える内容が多い。
2 自分に自信がなく,他の人の能力,素質等を強くせん望している。
3 「他の人の心が知りたい。」「私はいつも誤解される。」「私の気持ちはだれにもわからない。」「○○についあたりたくなる。」「自分をわかってもらえない。」といういらだち,強い欲求不満を抱えている。
(5)決定要員(個体的要因)
1 運動能力,容ぼう等に強いコンプレックスをもち,現実の自我像にはマイナス面の反応が多い。
2 心身ともに疲れ,体力も落ちている。
3 肥満度の高い(+10%以上)生徒が多く,特に女子の場合は,周囲で考える以上にコンプレックスとなっている。
(6)決定要因(家庭的要員)
1 総合的にマイナスのイメージでとらえている生徒が多い。
2 祖父母,父,母いずれかに対し,本人は,「すぐ怒る。」「細かいことにうるさい。」と反応している。
3 家庭に居る時,うるさいほど自己主張しているか,反対に家族から遊離した行動をとっている。
(7)決定要領(社会的要領)
1 友人間,家族間の人間関係は希薄であり,受動的である。
2 対人関係の不安,ストレスが予想以上に大きい。「人間関係が難しい。」「人と話すのが上手でない。」「話すととても疲れる。」「自分から友達をつくれない。」「友達とうまく遊べない。」「ひとの話が聞けない。」等
5.事例
(1) 対象 中学校1年女子A子
(2) 問題の概要
2学期の10月頃から登校をしぶり,断続的に欠席を繰り返していたが,両親がしった激励すると登校はしていた。しかし,両親への反抗的態度はますますエスカレートし,時には父親になぐられることもあった。2学期終了間際からついに連続欠席となる。
(3) 本人,両親との面接でわかったこと。
1 2〜3歳頃の,親子のスキンシップが足りなかった。
2 小学校から成績は良い。特に父親の期待は大きく,生活全般に指示が多かった。
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