福島県教育センター所報ふくしま No.86(S63/1988.6) -014/038page

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3 小4頃より反抗的になり,弟,妹とのけんかも多い。

−A子のSCTからの抜粋−
小さい時私は  おばあちゃん子で本を読むのが好きだった。 大きくなったら私は  英語関係の仕事がしたい。
御飯のとさ  家族としゃべらない。 私はよく  兄弟けんかをして叱られます。
学扱から帰って私は  何もせずボーとしている。 働くこと  は大切だがあまり好きではない。
どうしても私は  人と話すのが上手でない。 本  は好きでよく読みます。
運動  するのは好きだ。だけど運動おんち。 時々私は  自分が何を考えているのかわからなくなる。
私がきらいなのは  お父さん。 うれしかったとき  成績が上がり母にはめられたこと。
私がはずかしいと思うことは  少し太っていること。 家では  ステレオの音がうるさいとよく言われます。
学校の成績  は中の上くらいだったが,この頃落ちてきた。 私の不幸は  父がくどくどこごとを言うこと。
私の失敗は  友達と話している時,知らずに友達を傷つけてしまうこと。 私の不幸は  父がくどくどこごとを言うこと。
お父さん  はがんこでうるさい。 時々先になるのは  ○○さんの目です。
私のできないことは  家庭科。 私かくやしかったのは  ○○先生に「どうしてこんなに下がったの」と言われたこと。
女の友達は  2人いる。 学校では  静さにしています。
けんか  すると物をこわしたくなる。 私を苦しめるのは  先生も友達も私の悩みを軽く考えていることです。
私が皆より劣っていることは  運動すること。 私か自慢したいことは  何もない。
大人  はずるいところがある。 勉強は  難しい。嫌いだ。
  家でよく言われることは  勉強しなさい。

 (4)ラボール形成後,SCT(上図)を実施してわかったこと。

1 対人不安が強いため,CMI健康調査を実施したら神経症の傾向がみえた。皮膚.不適応,過敏,怒りに高得点を示した。

2 学校,家庭生活とも本人に大きなストレスになっていたので,DAT(問題性予測検査)を実施したら,家庭不適応,学校不適応.規範逸脱性において危険性がやや大であった。

3 成績は本人自身も大変気にしている。まだ完全主義的な面もみられる。

4 自己像については否定的な反応が多く,自信を失っていたので,YG性格検査を実施した。E型で,因子別にみると,気分変化(C),攻撃性(Ag)は高く,非活動(g),服従(a)的であった。

5 親に対する反発が強いので,親子関係診断検査を実施したら,消極的拒否,積極的拒否,厳格型,不一致型において危険地帯であった。

 (5)診断・指導仮説

    (略)

 (6)指導援助

1 本人について(詳細な省略)

2 両親について

 ……診断,指導仮説のもとに指導捜助を進める。3月初めから保健室登枚を始めた。

6.SCT活用に関するまとめと今後の課題

 (1)SCTの活用について

1 SCTで得られた内容は.相当時間の面接情報に匹敵した。

2 SCTを実施し,問題点を心にとめ,面接に望んだ時の方が,発展性があり面接自体にも深まりがあった。

3 SCTは異常性を発見する検査ではないが,心に不安をもつ生徒の早期発見,予防に活用するならば,テスト・バッテリーを工夫し,さらに多くの事例に接し,研さんを積んでいかなければならない。

4 SCTの刺激語は,できるだけ多様な文章が続けられるように選んである。同一の生徒に定期的に実施し,変化を見ていくことも生徒理解に役立つものと思われる。

 (2)今後の課題

不登校生徒の実像をさらに明らかにするため健常児との比較分析も必要かと思われる。

 ※ 参考図書 佐野・槇田著 金子書房

精研式文章完成法テキスト解説−小・中学生用

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