福島県教育センター所報ふくしま No.87(S63/1988.8) -018/038page
の中途退学者は10%前後であったものが,昭和59年と60年度には18%台に増加した。
これは[表1]の中退の理由の欄の「勤務」・「家庭の都合」・「一身上の都合」などに起因していると考えられる。
年度ごと退学者数[表2]
年度 生徒数 退学者 % 53 261 31 11.9 54 230 24 10.4 55 187 14 7.5 56 145 17 11.7 57 129 19 14.7 58 111 15 13.5 59 132 24 18.2 60 129 24 18.6 61 145 20 13.8 イ [表1]にみられるように,58年から61年度までの中退者をまとめてみると
(ア) l年生の中退者が全体の40%を占めている点が注目される。これは,入学の時点から,保護者との連携のあり方を含め,教育相談を踏まえた木目こまかな生徒指導の重要性を示唆している。
(イ) [表1]の○印内の数字に示したビジネス専修コースは,昭和59年度に発足し,高卒以上の人が,商業科3年に編入し,商業専門科目を学習し,2年間で24単位を履修して高校商業科卒の資格を得るコースである。しかし,59年から61年度までの3年間で39人中14人(36%)が退学している。これは,このコースに学ぶ人には勤め先で責任あるポストについている人が多く,勤務場所の変更や,仕事の内容等で学業との両立が困難となって退学していったものである。
ア 退学の理由[表1]について
(ア) 58年〜61年で.勤務(40人).全日制高校再受験(2人),中国残留孤児子女の中国への帰国(2人),結婚(4人),家庭の都合(9人)などやむを得ないと思われるものが83人中57人で68.7%を占めている。その中でも勤務の都合が48.2%と高率を示している点については,定時制生徒の実態を示しているとは言え,事業主と学学校との連携のあり方について見直しをする必要性を示していると思われる。
(イ) 次に一身上の都合(20人),進路変更(4人),家庭の都合(9人)などについては,健康上の理由とか不登校など精神面のほか,複雑な家庭的要因があり,良い目で家庭との連携の上に立って,一層の教育相談と助言のあり方を必要としている。
1 現普通科4年生(59年度入学生)の入学時からの進級・異動一覧
(62年11月1日現在) [表3] 58年普通科入学者の進級・異動状況[表4] <考察>
ア 現普通科4年生の中で,59年4月に入学した者25名のうち4年間の蛍雪の功がなって,卒業を迎えようとしている者は10名(40%)〔表3〕。ちなみに,58年度入学生については15名中8名(53%)[表4]であった。4年間の定時制での勉学は相当困難な実状であることが分かる。
イ 他校(主として全日制)からの転入生は,1年時2名,2年時4名,4年時3名,計9名中6名が,また編入生については2年時2名,3年時2名,4年時2