福島県教育センター所報ふくしま No.87(S63/1988.8) -022/038page
くり」(光村)等と結びつけて指導すれば,なお可。
5.「豚の小便」(第5学年)
−分数の加法・減法−
(1) 目 的
異母分数の加減における通分の必要性の指導とその定着
(2) 方 法
1 豚は通常は決して他の豚の子は育てず噛み殺してしまう。しかし,その豚の小便をかけると,どの子豚でも育てる。つまり臭いが同じでないと,育てないと話をする。
2 分数の加減でも,同じようなことが言え,分母が共通でないと計算不能であると指導。
(3) 指導の結果?
問題を板書し,児童に計算をさせた時通分しないと,「豚のあれだよ。」と教え合っていた。
6.「いらないお中元は,のしを代えてお隣へ」(第5学年)
−移項−
(1) 目 的
方程式の移項については,理論を習得したら,次は機械的に出来るよう指導したいと考え,発達段階を考慮した指導法を工夫した。
(2) 方 法
1 方程式の解法の理論的指導
2 新聞等の諷刺で,お中元の中を見て,不必要な物はのしを代えて隣へ回すイラスト等を見かける。その話をする。
(3)算数も同じで,左辺を自宅,右辺を隣家と見たて,左辺で不必要な物はのしを代えて右辺へどんどんプレゼントする。
「+」ののし→「−」ののし 「−」ののし→「十」ののし 「×」ののし→「÷」ののし 「÷」ののし→「×」ののし (4) 指導上の問題点
1 児童は,よく覚えてくれるが,道徳的に問題もあるので,例え話程度に流す。
2 a÷I=b,a’−I’=b’の時は,a=bxI,a’=b’+I′とした上で,上記の方法を用いるので,多少複雑となる。
7.「ワンワン法」(高学年)←1対1対応より
−比の応用,方程式,その他−
(1) 目 的
比を用いた問題や方程式等では,どちらを被除数,どちらを除数、としたらよいか分からなくなることがある。その場合の解決法。
(2) 方 法
問題 お茶240gで760円です。10gではいくらになりますか。 1 「算数は公平な学問であり,不公平は許されない。もし一方のみに何かをすると大変なことになる。丁度,先生がえこひいきしたようになって‥‥‥。」と話す。
2 同じ種類を集める。
240g→10g 760円→I円
3 240を10にするためにはどんな演算をしたか考える。
4 公平に,760にも同じ演算を施す。
(3) 指導の結果と発展
・ただ機械的に割り算の文章題に取り組んでいた児童も,割ることの意味を理解した。
−最後に−
算数の補欠の後児童が「今日の勉強はよく分かったし,面白かったよ。」と言ってくれた。私は「算数って面白い勉強だよ。」と答えながら,予備校でお世話になった元東北大助教授勝浦捨造先生の言を思い出した。「サインコスコス‥‥‥1マイナスタンタン分のタンタン。算数は面白く学べばよいのです。アハハハハ!」
私達も指導法を工夫したいものです。