福島県教育センター所報ふくしま No.87(S63/1988.8) -035/038page

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講座紹介

「教育相談部関係講座」

教育相談部 赤塚公生 玉川邦夫

63年度に教育相談部が担当する講座は次の通りです。

 ・ 学校カウンセラー講座(初級)6月開講

 ・ 学校カウンセラー講座(中級)6,11月開講

 ・ 学校カウンセラー講座(上級)6,9.1月開講

 ・ 小学校生徒指導講座 10月開講

 ・ 中・高生徒指導講座 7,11月開講

 なお,「学校カウンセラー講座」と「生徒指導講座」は次のような位置づけで開設されています。

「学校カウンセラー講座」

   個人に対してのより治療的,専門的な指導援助のあり方を研修していきます。

「生徒指導講座」

   集団に対しての望ましい人間関係のあり方を研修していきます。

 以下,講座の内容等の概要を紹介します。

1.学校カウンセラー講座

 この講座には,初級,中級,上級があります。初級は誰でも受講できますが,中級は初級講座か59年度以前の教育相談講座を受講された方,又は東北地区カウンセリング技術指導者講座を受講された方です。上級は,中級の講座を終了された方です。

 このように受講資格の条件が規定されているのは,段階的な受講により,講座の目的が達成できるように内容が組み立てられているためです。

(1) 講座の目的

 教育相談に関する理論や技法について研修を深め,子供への対応が適切にでき,更に中級,上級を受講することによって,学校における教育相談の中心的役割を果たすことができる指導力を身につけることがねらいです。

(2) 研修の主な内容 ・ 感受性訓練  ・ 相談面接法  ・ カウンセリング実習  ・ ロール・プレイング  ・ 検査の処理とテストバッテリー  ・ 行動療法の基礎  ・ 自律訓練法  ・ 事例研究会  ・ 学校カウンセリングの理論と実際(本千葉教育相談クリニック所長 向後 正) ・ カウンセリングの基礎としての人間関係(明治学院大教授 神保信一) ・ 学校におけるカウンセリングの進め方(筑波大教授 原野広太郎) ・ 家族カウンセリングの進め方(立教大教授 平木典子) ・ グループ・カウンセリング(日本交通公社能力開発室長 国谷誠朗) ・ 発達期の心理(県立医大講師 星野仁彦) ・ 児童・思春期め精神医学(県立医大助教授 八島祐子)

(3) 研修の具体的な内容・方法

 カウンセラーという仕事は,理論と実際とが本当にからみ合っていないと,なかなかむずかしいようです。ですから,「実際」を大切にしようということで,「演習」を十分に取り入れております。

 <1>  感受性訓練

  自分自身に焦点をあて,自分の考え方や感情対人関係における言動の傾向などに気づく演習をします。

 <2>  カウンセリング実習

  面接の技法(受容・支持・くり返えし等)や初回面接でのラボールの作り方や治療面接のあり方等を実習から体験的に理解し,身につけていくようにします。

 <3>  ロール・プレイング

  テーマを決め,役割を分担し,即興的にその場面を演じます。演じた中から生徒への適切な対応の在り方を探ったり,自分が普段とっている言動などへの気づきを深め,よりよい対応ができるようにします。

 <4>  検査の処理とテストバッテリー

  心理検査(YG性格検査・エゴグラム・人物画等)の実施法・処理・解釈の仕方について理解し,児童生徒の持つ問題点を的確にとらえる


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