福島県教育センター所報ふくしま No.88(S63/1988.10) -009/038page

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 (ii) データのコンピュータ処理

  従来ソシオメトリーの理論の有効性は認識されていたが,データの加工が煩雑で処理に手間がかかり実用性に乏しい傾向であった。これをコンピュータ処理により実用度を増すことができる。

 本研究の処理結果を解読するのに必要な指標と記号は図1である。

集団の指標と記号の説明 図1 指標と記号の説明

図1 指標と記号の説明

 (iii) 集団加工情報

 1.ソシオ指標一覧(囲2)・・・ISSS(社会的地位指数)の高い者を先頭にそのグループに属す子どもを並べる。この図からはその集団における各々の子どもに対する友人からの評価度を知ることができる。

図2 指標一覧

図2 指標と一覧

 2.ソシオマトリックス・・・1.を基に記号を用い2次元の組み合わせの配列で表示する。

図3 構造マトリックス

図3 構造マトリックス

   <1>  資料マトリックス・・・出席番号順に表示する。

   <2>  構造マトリックス(図3)・・・学級で最もISSSの高い子どもを選びその子どもと相互選択関係(MC)にある子どもを探す。この操作を繰り返してMCが切れるまで行う。この図からは小集成の広がりの様子,学級の小集団の数などを視覚的に知ることができる。

  3.ソシオクラスター(図4)・・・MCの関係から小集団を明らかにする。小集団の関係を「木」的表現とする。ある子どもがその子どもの属する集団への影響力の度合を知ることができる。

  4.席座八方情報(図5)・・・現在の子ども達の座席配置を用いC,CD,R,RD関係を表示する。子ども達の人間関係を空間的,視覚的に促えることができる。

 (iv)  個人加工情報

 1.ある子供のC,CD関係

 2.ある子供のR,RD関係(図6)・・・

ある子どもの(C,CD),(R,RD)関係を現在の座席で表現する。個人面談等をディスプレイを見ながら行えるようにした。

3.指導情報としてのソシオメトリー

 ソシオメトリーを学級経営に利用する領域として次のようなものが考えられる。

 (i) 学級の児童・生徒の人間関係の理解

  特に具体的な目的がない場合でも学級の子どもの人間関係を知り,それを通して子ども一人一人を理解する。「嫌われっ子」や「孤立児」が見

図4 ソシオクラスター

図4 ソシオクラスター


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