福島県教育センター所報ふくしま No.88(S63/1988.10) -030/038page
(考 察)
全校プログラム委員のリードで生徒が自ら立案,計画に参加することは,積極的実践に連らなることが実証された。計画や実施案の検討の際,全校プログラム委員の生徒が班の代表であることを以前より自覚したのか,活発で建設的な話し合いがおこなわれた。
PTA,地域の人々からの作業手順・方法を聞く姿勢にも毅然とした,謙虚な姿勢が見られるようになってきた。
生徒の自己評価にも「指示されなくても,自主的に協力して作業ができた。」「安全面にも注意し懸命に頑張った。」という反省が多くなった。生徒相互の信頼感が高まったようだ。
また,教師も,打ち合わせが充分でなかったにもかかわらず,それぞれが,自己の担当を積極的,建設的に指導の工夫がなされ,生徒自身が意欲的にのぞめるよう配慮しながら,すすめられていた。
-1- 全体考察
学校行事の企画実践実の検討に生徒を参加させることにより,以前は積極的参加が,わずか5バーセン卜にすぎなかったものが,実践を重ねるに従って,班活動や検討会で生徒の意見,工夫が自主的に出され,実践場面でも,自主的・主体的・協力的な参加が徐々に多数見られるようになり,70パーセント以上の生徒が「意欲的に参加できて楽しい。」「満足感,成就感が感じられた。」等の感想を示すようになり,農業(労働)に,たずさわる人の苦労,労働の価値作業への興味関心,技術の理解,自らの実体験から感じとった自然の神秘さ,他を助け,協力することの重要さ等が高められたように思われる。
また,教師の評価にも「生徒が自ら取り組む意欲が,集中できるようになり,係り分担や,自己の責任など具体的,協力的になごやかに検討できるようになった。」「他の話や指導助言に,耳をかたむけ,落ち着いて行動,実践できるようになった。」とする声が多数にわたり,この研究実践も頭初の目標を一応達成できたように思われる。
8.今後の課題
今後,残された課題として,さらに学校行事を精選して,事前・事後の指導,評価・反省を協議検討し,次の行事の実践に具体的に生かせるような時間的ゆとりをとること。
また,「自己教育力の育成」を培うものとして,自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を学校行事のみならず,道徳特別活動,教科指導の内容や指導方法の改善を図る必要がある。
7.資 料
「学校改善実践全集」 ぎょうせい
「教研式全国標準新道徳性検査」図書文化協会
「教育課程編成の手引」第3集 県教委
「総合教育技術」 小学館
その他