福島県教育センター所報ふくしま No.88(S63/1988.10) -031/038page
アイディア紹介
「夏休み等を利用した,道徳性を高める体験の場の設定」
南会津郡館岩村立館岩中学校教諭 和 田 光
1.はじめに
学校における道徳教育は,学校の教育活動を通し,道徳的習慣や道徳的な判断力,心情などを実践的態度として伸ばし,道徳的実践につながっていくことを目指している。
その目標を達成するために,道徳の時間に一貫した指導を進めているわけであるが,道徳的判断力,心情の変容は目に見えにくく,すぐに忘れさられ,道徳的実践につながっていないのではないかと常々反省させられてきた。
それ故,道徳の時間で高められた価値観を,体験を通してさらに葛藤させ,より確かなものとし,道徳的実践に結びつけることができるよう考慮し実践した一部を紹介したい。
2.実践例
行動の変容を期待するのは,特別活動等にゆだねるとして,価値を主体的に自覚できることを目標として道徳性を高める体験の場を設定した。
(1) 道徳性を高める体験の取り扱い
(2) 道徳性を高める体験の場の設定
1 テーマの設定
既習した題材を中心に,その中から,体験を通して道徳的価値観を見つめ直すことができるようなテーマを各班どとに設定させた。班は,男女混合の5・6人程度のグループ編成とした。
各班ごとの体験テーマ
2 役割分担
道徳性を高める体験といっても,実際に身を持って体験できないものもあるので,その人の気持ちに直に触れることができるよう取材形式で行った。また,取材に際しては,承諾のとり分・インタビューのし方等,事前指導を十分に行った。
3 計画表作成
取材や編集等については,全員が参加できるよう,部活動等を配慮しながら,無理のない計画をたてさせ,計画案を提出するようにした。
役割分担と計画表