福島県教育センター所報ふくしま No.88(S63/1988.10) -035/038page
「学習指導部関係講座」
学習指導部 五十嵐康雄
学習指導部では,各教科及び道徳,特別活動の講座を担当しています。どの講座も「自己教育力の育成」等のテーマを中心に,学校現場の要請をふまえるとともに各教科の特性に応じた内容で構成しています。ここでは各教科及び道徳,特別活動講座の特色ある内容を中心に紹介します。国語
内容は,大きく三つに分けることができます。一つは,大学の先生方の講義があります。今日的課題に対応できる充実した内容です。市毛勝雄先生や小林一仁先生,福大の高野保夫先生をお迎えしています。二つめは,国語科での自己教育力育成を目指すための協議です。この際,義務・高等学校教育課の先生よりご指導をいただいています。三つめには演習があります。教材研究を共同で進めながら,学習指導実の作成や評価問題の作成に取り組んでいます。
社会
小学校では,「自己教育力育成を目指す社会科の指導」を中心に,形成的評価の手法を取り入れた「観点別達成目標分析の進め方」及び「形成的テスト問題の作り方」を進めています。中学校では,1次の講座が復活したので「基礎・基本の定着を目指す社会科の指導」や「個性を生かす学習指導案の作成」等,多様な内容の研修を行います。高等学校では,小学校の授業参観を参考に「問題解決を図る学習指導実の作成」と「現代社会」をとりまく諸問題についての講義があります。
算数,数学
自己教育力の育成を図る指導のあり方を研修の中核に据えて進めています。小・中・高とも実践例をもとに学ぶ意欲について研究協議をします。また,小・中(1次)では,主体的な思考力を育成する指導案を作成し協議します。小・中(2次)では,S−P表を作成し活用方法について研修します。高等学校では,能力・通性に応じた指導をするために目標分析を行い協議します。さらに,所外の講師により研修内容が一段と深められ,講座の目的が達成されるよう実施しています。
英語
英語の世界的潮流はCommunicativeLanguageteachingです。当講座でもCommunicativeの視点から,その主眼を新しい理論の紹介とそれに伴う指導法,教材の提供に置いています。さらにJETプログラムによるAETの招致で対応がせまられているTeamTeachingについても,AET1名を全日程にわたって参加させ,AETとの直接対話とT_TのVTRによる授業研究を通して研修します。なお,中・高LL講座では英語教育への導入が模索されているCAIの簡単な操作と演習も行います。
音楽
小・中・高あわせて4つの講座の内容は,それぞれの授業実践において,すぐに生かせる内容と幅の広い指導を展開するために次のような内容となっています。 ・ 合唱指導や伴奏その他のための編曲法を中心とした実技。 ・ 日本音楽への理解を深める糸口として邦楽器の奏法への取り組み。 ・ 自己教育力を育成するための具体的な手だてを話し合う研究協議。これらの内容を中心に大学などの専門的な講師や義務・高等学校教育課の先生をお招きして講座を構成しています。
図画工作,美術
実技を中心に授業実践にすぐに生かせる内容と幅の広い指導を展開するための研修内容となっています。
−図画工作(1次)実技風景−