福島県教育センター所報ふくしま No.89(S63/1988.12) -011/038page

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所員個人研究−(高等学校商業)

「簿記会計I」学習コースウェアの開発

科学技術教育部 鈴 木 暉 夫

1.はじめに

 学校におけるコンピュータの利用形態の中に,CAI(ComputerAssistedInstruction)がある。CAIとは,コンピュータ支援学習のことであり学習者がコンピュータと会話しながら学習を進めていく形態の学習教授法である。CAIの教材内容を記述したプログラムをコースウェア(学習コース)という。コースウェアは,指導する内容,指導方法,学習者の応答に対するメッセージなどから構成されている「教授活動つきの教材」である。

 情報化社会に対応した教育を進めていくため,全国各地で日常の授業でコンピュータを利用していく研究が行われている。当センターでもコンピュータを活用した学習指導(CAI)について研究している。開発した学習コースウェアの一部を紹介しながら,その開発について概略を述べてみたい。

2.学習教材の選定

 高校商業科の基礎科目である「簿記会計I」の学習項目のうちコンピュータで取り扱うことがより効果的と思われる事項を選んでコースウェアの開発に取り組んでみた。

 開発した学習コースのメニューは右図のとおりである。

図−1 メニュー画面

図−1 メニュー画面

<注;コンピュータはパソコンをさしている>

3.「決算(その2)の学習」コース概要

 この学習コースは「簿記会計I」の基礎・基本となる学習項目である決算手続きの中の「商品売買益(損)の算出と記帳」を学習させる教材である。学習目標を明確にするため,コースは1-「商品売買益(損)の算出」,2-「商品売買益(損)の仕訳と勘定へ記入」の2つに分割し,順序よく「簿記会計I」の基礎を学習できるように設計した。どちらも前半でコンピュータと対話しながら学習事項を身につけ,後半でその定着を図るためのドリルをさせるという構成になっている。

図−2 オープニング画面

図−2 オープニング画面

図−3 コースメニュー画面

図−3 コースメニュー画面

 メニュー画面で「決算(その2)の学習」を選択すると,2つのコースのうち,どちらのコースを選択するか,選択する画面を最初に表示する。

 コース選択画面の次に表示するコースメニュー画面からページを指定するとコース内のどのページからでも学習を始めることができる。

4.学習コースの主な内容

(1)教材提示の画面

 1「商品売貞益(損)の計算」を扱った表示画面は上下の2つに分割し,上には,例題を提示し,下には,解説や設問を表示した。この教材の主眼である商品売買益(損)の計算を学習させるにあたり,棚卸商品がある場合の例題をあげて解説した。はじめに,商品売買の問題を示して,仕入高と売上高を計算させる。棚卸商品がある場合,商


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