福島県教育センター所報ふくしま No.89(S63/1988.12) -012/038page
品売買益(損)は,単に売上高から仕入高を差し引くという計算では求めることができない。売上原価という概念をもつ必要がある。売上原価を計算するためには,棚卸しを実施して,店に残っている商品を調査しなければならない。このことを理解させるために商店や商品は,抽象化して単純な円で表現し,商品が商店に出入りする様子を視覚に訴えて,イメージ化をはかった。商品の動きを強く印象づけるよう画面の中央に商店や商品を表示した。店内の在庫商品と売り上げた商品と区別するため,商品の色を変えて表示している。
図−4 教材提示の画面
2「商品売買益(損)の仕訳と勘定へ記入」の画面では,勘定口座を示し,手順に従って各勘定に記帳することを学習させる。「簿記会計I」の学習では,記帳に関して知識として理解させるだけでなく,行動(記帳)ができるようにさせなければならない。記帳が正確にできてはじめて簿記の技能が身についたことになる。このコースでは振替仕訳と勘定への転記を一つひとつ分解して提示し,正しい記帳手順を習得させることを目標としている。
図−5 教材提示の画面
(2)応答入力の画面
図−6 応答入力の画面
応答をキーインするところは,タイルめくり方式をつかった。数字の入る桁数分の枠を表示し,学習者に紫色に塗ったタイルの桁へ解答を入力させる。間違えた解答を力力すると誤りを知らせる音が鳴り,数字は表示されない。正しい解答が入力されたときだけタイルが消えて,そこに数字が表示されるというものである。金額などの解答を入力する際に正答の数字を1桁ずつ受け入れて表示していくところがポイントであり,この方式のよさである。解答の数字をキーインするごとに,正答と誤答の入力回数をカウントしている。
(3)評価の画面
図−7 評価の画面
評価の画面では,各ページの学習が終るごとにそのページでの正答率を帯グラフで表示し,学習者に知らせる。この画面は,画面の中央に大きく帯グラフにして,白色の地に赤色で正答率を表示している。百分率の数字は,境界に合う位置に表示するように設計してある。「頑張ったね。難しいところは,質問しよう。」というKR情報は.正答率によって表現をかえている。
(4)練習問題の画面
売上原価と商品売買益を計算し,記帳させる練習問題を準備した。最初の問題は,例題と同様の問題で勘定残高をそのまま出題し,易しい問題から複雑で難しい問題へと配列した。
ここでの学習目標は,1-売上原価の意味を理解