福島県教育センター所報ふくしま No.89(S63/1988.12) -024/038page

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ような指導を考えた。

 1 正しい発音で読む力を伸ばす指導

  ア はっきりした発音で読む。

  イ ロをしっかり聞いて,ゆっくり読む。

 2 正しく読み取る力を伸ばす指導

  ア 主語と述語との照応に注意して読む。

  イ ,や。に気をつけて読む。

 3 気持ちを想像しながら読む力を伸ばす指導

  ア 地の文と会話文を区別して読む。

  イ 気持ちをこめて,「」の部分を読む。

 指導の手立てとして次の二点を考えたい。

 1 会話の部分を意識させ,正しく読み取ることができるようにする。

 2 音読に焦点をあてたワークシートを用い,読み取ったことを音声化できるようにする。

(2) 仮 説

 物語文の指導において,音読に焦点をあてたワークシートを用いて,会話部分の気持ちを書きこませ,音読の記号をつけて,会話の部分を意識した音読をさせれば,文章を正しく読み取ろうとする態度を育てることができるであろう。

1 音読に焦点をあてたワークシートとは,

音読記号

 ア 会話の部分をさがし出すことができる。

 イ だれが言った言葉であるかがわかる。

 ウ どんな気持ちかを書き込むことができる。

 エ どんな音読をしたらよいかを考えて,音読の約束記号を書くことができる。

 オ 記号をもとにして音声化ができる。

 五つの段階を踏んで,正しく読み取らせるためのものである。


2 音読記号とは

 児童との話し合いにより作り加えていく音読の約束記号である。

3.計 画

(1) 方法 一群法による

(2) 対象 1年3組(男18名,女16名,計34名)

(3) 組織 個人研究

(4) 日程 (紙面の都合で省略)

4.概要と考察

(1) 研究の経過

 1 検証までの準備

  ア 意識調査と実態把握(音読テープ)

  イ 音読指導に関する文献の研究

  ウ 研究単元の選定と教材研究

  エ ワークシートの作成

  オ 指導過程の設定

  力 事前,事後,把持テストの問題作成

  キ 評価方法の検討

 2 検証授業計画

  ア 単元名 はっきりした声で「くじらぐも」

  イ 指導計画 (総時数12時間)

   一次 全文を読んで感想を持つ。…3時

   二次 場面ごとに様子や気持ちを想像しながら読む。…5時

    ・ くじら雲と子どもたちが誘い合う場面  (本時 2/5)

   三次 様子や気持ちを考えながら全文を音読し,まとめをする。…1時

   四次 くじら雲に手紙を書き,発表し合う。…2時

   五次 片仮名書きの言葉の練習をする。

  ウ 本時の指導

   a 目標分析表

    学習の目標を洗い出し,内容との関連を図り,音読のねらいを明確にした。

   b 本時のねらい

    「おうい。」「ここへおいでよう。」という会話文を手がかりにして,くじら雲と子どもたちが声をかけ合って親しくなっていく様子を読み取ることができる。


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