福島県教育センター所報ふくしま No.89(S63/1988.12) -030/038page
3 アンケート調査結果と事前・事後・把持テスト結果の比較
ア 理科に対する意識調査
イ 電気の学習について
ウ 事前・事後・把持テストの結果
4 結果の考察
ア アンケート調査結果について
電気については,日常生活のなかで身近なものと感じ経験しているが,実際電流回路の学習を通して電気について意欲的に取り組む生徒が増えたことは,興味・感心の表れとみることができる。
またこの検証授業後の生徒の感想からもうかがうことができた。
イ 事前・事後・把持テストについて
小学校の既習事項である豆電球の明るさを調べるなど,電気に関する基礎的な知識の不足がみられた。電流・電圧の関係についてグラフから解く問題以外は正答率が低かった。
事後テストでは,ワークシートや学習ガイド等の活用によって理解を深め平均82%になり,その後演習問題等を通して,把持テストでは,平均90%という結果を得ることができた。
(3)結論
選択別学習課題や学習課題順序の選択が,一人ひとりに興味と関心を喚起し,積極的かつ主体的に実験に参加し生き生きと取り組んだことや,ワークシート・学習ガイドの活用に自ら進んで,調べていこうとする意欲に結びつき,電気の学習に興味・関心がみられたことに一応の成果があった。
5.反省と問題点
(1) 全体学習のなかで,各課題について生徒がしっかりした目標や解決の見通しを持てるように指導し,生徒一人ひとりが興味・関心を持って課題を自分のものとして取り組み,目標達成の充実感を味わえるような配慮がほしかった。
(2) 選択別学習課題や学習課題の順序性が,生徒一人ひとりに意欲を高めるための課題として適切であったか検討が必要である。
(3) 課題解決の取り組みによって,自ら探究していく姿勢や新たな課題へ意欲的に,取り組もうとする態度を,授業のなかでいかに工夫していくかが問題となった。
(4) 終末に達成度評価をワークシートに位置づけ,自己評価をさせたことは良かったが,不十分な生徒には,フイードバックを指示し個別に指導の手を加える場がほしかった。
達成している生徒には,発展的な演習問題を作成し,確かめる工夫の手だても必要であった。
6.参考文献 (省略)