福島県教育センター所報ふくしま No.90(H01/1989.2) -012/038page
4.学習指導における「S−P表」の位置づけ
S−P表を学習指導に活用する場合には,前提として,的確な実態の把握と目標の分析が必要になる。これらをもとに授業の設計がなされなければならない。さらに,学習の過程のどの段階で「S−P表」を活用して学習指導法の改善を図るかということもあらかじめ想定し,指導計画を作成することが必要である。
(1)基本的な考え方
(2)指導計画への位置づけ
以下に小学校5年の社会科の事例を述べることにするが,これは特に,指導計画の追究段階における学習について「S−P表」による分析を重視し,学習指導法の改善を図るという試みで実施したものである。
5.授業の実際
(1) 実践授業1(2/8)の結果から
本時の授業では,発言が多く,資料等をもとに自分の考えを述べるなど意欲的な姿が多くみられ全体的に活発な学習態度であった。しかし,事後のテストの結果は,表1のように,平均正答率59.5%であり,授業のねらいが十分達成されたとはいえない状態であった。
このことから次のような内容が反省として考えられた。
1 話し合いによって授業が進んでいく過程で,新しい概念や用語などがごく一部の子どもにしか理解されておらず,その都度,内容や意味を確かめることが不十分であった。
2 子どもたちの資料解釈の力が十分でなく,発言の内容が観念的ではなかったかということ。