福島県教育センター所報ふくしま No.90(H01/1989.2) -020/038page
研修者研究報告 (学校経営A講座)
「共同研究を充実させる運営の工夫」
郡山市立柴宮小学校教頭 渡 辺 文 男
1.研究の趣旨
本校では,昭和57年度に市教育委員会より研究校としての指定を受け,共同研究を続けてきている。研究公開後自主公開も4回を数えているが,最近では研究を推進する上で,運営面や実践面で早急に解決しなければならない問題点も多い。前年度までのものをまとめてみると次のようになる。
(1)運営面から
・ 合科的な指導と教科との組み合わせにより,1・2年,3・4・5・6年の2つに分けるため,校務分掌と合わないところもある。
・ 各年度ともスタートが遅れ,2学期に入って各分野が始動するため,研究期間が短くなってしまい研究が深まらない。
・ 研究推進委員会の機能が十分発揮されていない。
・ 研究時間が少ない。
(2)実践面から
・ 大規模校のため,実践的な研究をするメンバーが限られてしまい,各個人の実践面が充実してこない。
・ 授業の研究が一時期に集中している。
・ 検証の手法が明確になっていないため,研究の成果がとらえにくい。
・ 授業での検証の視点が系統的に位置づけられていない。
以上の数多い問題点を整理してみると,
一人ひとりが研究問題を自分のものとして受けとめ,運営上の工夫をしたり,積極的に研究を推進したり,これまでの研究の成果を授業に生かす工夫がたりない。 そこで共同研究充実に向けて,学年部会をもとに,教師一人ひとりが研究主題を自分のものとして受けとめて研究に取り組むようにするには,どのような取り組み方があるか探るため本主題を設定した。
2.研究の見通し
共同研究において,当面する研究課題解決の方策や,各自の研究成果を準備し,学年部会に参加するようにはたらきかければ,研究主題を自分のものとして受けとめるようになり,共同研究は充実するであろう。
3.研究方法と対象
(1) 研究方法
1 共同研究に対する現状把握と問題点の把握
2 調査項目の検討と調査の実施
3 研究内容の吟味と明確化
4 研究の見通しにもとづいた実践
5 実践結果の考察
6 研究のまとめと評価
(2)研究対象
本校職員 38名
4.研究内容と推進計画
6月 (1) 現状把握と問題点の整理
〜 (2)研究構想の樹立
8月 (3)調査項目の検討と調査の実施
〜 (4)調査の整理と見通しにもとづいた実践計画の樹立と実践
12月 (5)実践結果の考察と研究のまとめと評価
5.研究の概要と考察
(1) 研究の構想