福島県教育センター所報ふくしま No.91(H01/1989.6) -008/038page

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2学校の実態に即した計画を作成する。
  特別活動は、学校規模(児童数、教職員数)、それに伴う施設設備の状況などに大きく影響される。そこで、実践活動がさかんにできるようにするためには、次のことについて十分検討することが大切である。
 ア 構成組織と児童の参加範囲
 イ 人数に応じて、望ましい活動をさせるための時間の設定
 ウ 講堂、体育館、プール、図書館、特別教室等の有無とその設備状況
 エ 運動場の広さ、運動施設及び運動用具の整備状況
 オ 特別活動の充実に必要な施設設備充足のための計画と経費
3教師の全校的な指導体制を確立する。
 特別活動は、次のような理由で指導原理についての共通の認識が特に強く要求される。
 ア 特定の学級の場を越えて、全校的または学年的な規模で実施する活動が多い。
 イ 児童会活動やクラブ活動などのように、それぞれに目標をもった活動に対して全教師が分担して指導に当たることが多い。
 ウ 他の領域に比べて、学校の創意と工夫を最大限に生かして実施する面が多い。
4評価構想の確立を図る。
 評価については、「2の<考察>」に記述した通りであるが、特に次の3点に配慮した計画を立てる必要がある。
 ア 学校経営からみた特別活動の評価
   特別活動の経営は、前述したように学校経営の一環としてこれを位置づけ、有機的な関連を図りながら展開していくものである。特別活動をめぐる問題点を挙げ、改善の方向を明らかにするためには、どの全校的なひろがりの中で考えることが必要なのである。
 イ 全体計画の総合評価
   評価基準を明確にし、教師の自己評価を中心に全体計画の問題点を浮き彫りにし、反省改善を図るようにしていかなければならない。
 ウ 児童による評価
  児童自身による活動の計画作成や評価は、特別活動の性格からみて重要な意義をもっている。したがって、指導計画作成にあたっては、年間を通じて児童自身が行える評価活動の計画を適切に立案し、個人及び集団の目標や計画の実践について評価させることを考慮する必要がある。
(3)新学習指導要領の主な改訂事項
 新学習指導要領の中で、次の3点については特に研修を深め、適切な指導計画作成を考えなくてはららない。
 1特別活動内容構成の改善による全体計画
 2学級会活動と学級指導を統合して新設された「学級活動」の指導計画
  ア 児童による自主的、実践的な活動が助長されるようにする。
  イ 取り上げる指導内容の重点化を図る。
  ウ 生徒指導との関連を図る。
  エ 児童の自発的、自治的な活動が展開されるようにする。
 36種目に分類された学校行事の指導計画

4.おわりに
特別活動の内容構成が変わるこの機会に、基本的事項を再確認し、実態に即した、生きてはたらく特別活動の全体計画、指導計画の見直し・改善は特別活動において今一番重要な課題と言える。 今後も新指導要領の趣旨をよく理解し、新しい内容を中心に具体的に機能する全体計画、指導計画の作成のありかたについて、さらに研究を深めていきたいと考えている。

※ 参考文献
。小学校学習指導要領(文部省)
。子どもが生きる特別活動の構想(明治図書)
。小学校特別活動の指導と評価(図書文化)
。新小学校特別活動事典(第一法規) 他


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