福島県教育センター所報ふくしま No.91(H01/1989.6) -023/038page
研修者研究報告 (学校経栄A講座)
福鳥市立金谷川小学校教頭 渡 邊 康 郎
1.研究の趣旨
学校教育におけるマイクロコンピュータの利用は大きく分けて,
(1)学習指導のための教具としての利用
(2)教師の指導計画作成等のための利用
(3)学校経営の援助のための利用、
と,考えることができる。これらを通じて,'マイクロコンピュータは,適切にかつ有効な場面に利用されることによって,従来の方法を豊かに補完するものとなることが期待される。
今までの本校での活用状況は次の通りである。
(1)学習者の成績管理や時間割編成など,学校管理運営に有効な活用を意図した C-MI(Com-puterManagementlnstrction)的活用が図られてきた。
1.教育計画・教育課程編成での活用。
2.学校からの案内・通知文作成・発送での活用。
3.児童の成績・体力・身体状況・名簿管理での活用。
4.(公文書作成・発送での活用。
5.職員の届出・願出等文書での活用。
6研修・教材研究等での活用。
(2)学習指導におけるコンピュータの活用として,学習の効果をあげるために教師の指導の手助けとして,又児童のひとり学習,ドリル学習として,児童に活用させ効果をあげるCAI(ComputerAssistedIntrution)的活用が図られてきた。
1.教科学習として,特に社会科,・算数科での活用。
2.クラブ活動での活用。特に
(2)での実践活用を継続してくると、児童のコンピュータに対するリテラシィの有無,興味関心の有無が大きな影響を与えてくることがわかった。
また,学年の発達段階に調和した,コンピュータ・リテラシィについて系統的・段階的な指導がなされなければならないことを痛感した。
そこで,今年度は
1.コンピュータの取り扱いを学ぱせ,基礎能力を身につけさせる。
2.コンピュータによって学ぷこと,つまりコンピュータを教育の場で利用,活用する。
3.コンピュータを補う学習により,コンピュータにも限界があることをはっきりさせ,欠けている部分をカバーする能力を身につけることを中心にした,コンピュータ・リテラシィ(Computer Litelacy)に焦点をあて,人間性豊かな児童を育てることを目標とし,教頭として学校経営の具体的な運営に位置づけ,構想・推進することによって,学校経営の充実を図りたいと考え本主題を設定した。
2.研究の見とおし
コンピュータの活用に関する基礎的・基本的な能力を身につげさせるるために,低学年からコンピュータの活用のしかたに慣れさせれば、学習効果をあげ学校経営が充実するであろう。
3.研究の方法と対象
(1)研究の方法
1.本校におけるコンピュータ教育の現況把握。
2.コンピュータに関する児童の実態調査分析。
3.コンピュータ・リテラシィに関する,低・中・高学年用マニュアル試作。
4.実験授業による検証と考察。