福島県教育センター所報ふくしま No.92(H01/1989.8) -016/038page

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 ・ソシオメトリック・テストの結果を十分に生かしきれなかった。孤立児や周辺児への具体的な対応を協議する必要がある。

 ・性格検査などの導入を検討する必要があった。(たとえば,YG性格検査などを中心としたテストバッテリー等)

 ・給食指導の在り方を再検討する必要がある。

 ・全体的に,事後指導に重点を置いた内容であった。観察の中から,早めに孤立傾向を発見することができなかった。予防的な指導援助の在り方を学年会で協議することが重要であった。

そして指導援助

 学年会では,今後の指導援助の方針を次のように確認しました。

今後の指導援助の方針

 ・家庭への指導援助


 ・担任が家庭訪問を中心とした家族へのラポール(信頼関係)形成をはかり,本人の現状を両親に理解させるとともに,家族それぞれのA君へのかかわり方に気づかせる。


 ・本人への指導援助


第一段階


 ・担任とのラポール形成に力点を置いた家庭訪問を行う。


 ・登校刺激は与えない。(話題の中に学校のことが出てきても苦にしなくなるまで)


第二段階


 ・自分の性格の改善や今後の目標につての話し合いを行う。


 ・必要があれば,話し合いの材料として心理テストを実施し,結果を本人とともに考える。


 ・友人を遊びに行かせる。(目的は遊びだけにする)


第三段階


 ・登校への準備期間としての話し合いを進める。


 ・朝,友人を迎えにやらせるか,または担任が顔を出すようにする。


第一段階の取り組み (※家族への働きかけは省略)

9月20日 第1回担任家庭訪問(母親とA君)タ方であるせいかとても元気な様子。朝は腹痛で学校を休   んだという。学校の話は避けたが,担任との会話は楽しそうであった。

9月27日 第3回担任家庭訪問(両親とA君)両親は本人とのかかわり方に留意しているという。両親の   取り組みを励ます。A君への登校刺激の時期を心配している様子。あせらないでいくことを話す   。後半,本人が出てきたのでペットの犬の話をする。

    友達のB君の話を本人が出した。

第二段階の取り組み

10月1日 B君に協力を求めた。喜んで受諾。

10月5日 第4回担任家庭訪問(A君とのみ)以前より多くの話題が出た。勉強が遅れると心配なこと。   高校へは行きたいこと。B君が来てくれてうれしかったこと。自分の性格は弱いとの自覚がある   こと。性格テストに興味があること。

10月25日 第6回担任家庭訪問(A君とのみ)本人と性格について話し合う。担任自身のYG性格検査の   結果を見て興味を示す。本人へも実施し,その場で処理をする。検査結果を読みながらの話し合   いは,担任の想像以上に楽しく熱心なものになった。

   YG性格検査では,情緒安定で消極的(典型C型)。本人にはあえて生の資料を見せながら,活動性   が低いことに注目して話し合いをした。活動性を高めることについての話題には興味を示し,よ   く発言した。

第三段階の取り組み

1O月末より,一日の生活リズムを確立すると


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