福島県教育センター所報ふくしま No.92(H01/1989.8) -018/038page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

プロジェクト研究報告

学校の経営過程における現職研修のあり方に関する研究

一自己啓発を促す校内研修のあり方・すすめ方一
(その2)

学校経営部

1.はじめに

 前回は,上記主題の研究動機・趣旨について述べました。今回は,調査研究結果(県下197校572名の先生方対象)から,現状において最も改善充実を図る必要があると思われる「校内研修推進上の問題点と課題」について紹介してみたいと思います。(当部でまとめたものは下記の11でした。)
校内研修推進過程 問題点 実践課題
計画の段階 研修課題の集約 ア個人の二一ズを生かして研修課題を集約する手続きが不十分である。 「児童生徒や教師の二一ズを生かした研修課題は,どのような手順・内容で集約すればよいか。」
研究主題の設定 イ研修課題を生かし共通理解を図る研究主題の設定の仕方が不十分である。 「研修課題を生かして共通理解を図りながら研究主題を設定するにはどうすれぱよいか。」
研修組織づくり ウ学校の実態や個人の希望・特性をふまえて研修組織をつくることが難しい。 「研修意欲を促す研修組織は,どのような手順・内容でつくれぱよいか。」
研究推進計画づくり 工到達目標達成までの推進計画が不明確である。 「到達目標達成までの過程が明確な年間推進計画は、どのような手順・内容で作ればよいか。」
実施の段階 研修時間の確保 ア校内研修の時間は,ほぼ位置づけられているが,実質的な確保に乏しく,その活用の仕方も工夫がたりない。 「研修時間を実質的に確保するとともに,研修会を効率的に運営して研修の成果を上げるには,どのような方法を工夫すればよいか。」
授業研究 イ授業の質的改善と授業研究内容の共有化を図る授業研究のすすめ方が不明確なため研修意欲が高まらない。 「授業研究内容の共有化を図り,授業の質的改善に結びつく授業研究はどのような手順.内容ですすめたらよいか」
研修資料の収集と活用 ウ校内研修推進過程における研修資料の収集・活用が不十分である。 「研究主題到達までの資料の収集・活用はどうあれぱよいか。」
リーダーのあり方 工校内研修推進におけるリーダーのあり方や具体的な援助指導の内容・方法が不明確なため協働意欲が十分高まらない。 「校内研修における協働意欲を高めるためのリーダーのあり方、援助指導はどうあったらよいか。」
評価の段階 研究推進の形成的評価 ア到達目標達成までの研究推進の形成的評価の内容・方法が不明確で,形成的評価が不十分である。 「到達目標達成までの形成的評価の内容・方法はどうあったらよいか、。」
研修の総括的評価 イ計画・実施・評価各段階における総括的評価の内容や方法が適切でないために,研修推進や研究の進展が不十分である。 「校内研修推進過程における適切な総括的評価の内容・方法はどうあったらよいか。」
評価結果の次年度への活用 ウ校内研修の評価結果を生かす内容・方法が不明確なために次年度に十分に活用されていない。 「校内研修の評価結果を生かす内容・方法を明確にして次年度に活用するにはどうしたらよいか。」

2.おわりに

 次回は,上記実践課題に対して,当学校経営部で作成した改善充実策「試案」のいくつかについて2回にわたって解説してみたいと考えています。

(文責 三津間 安宏)



[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。