福島県教育センター所報ふくしま No.92(H01/1989.8) -022/038page
研修者研究報告
研修意欲を高めるためのリーダーシップ行動の在り方
喜多方市立態倉小学校教頭 目 黒 則 雄
(前会津若松市立城北小学校教諭)1.研究の趣旨
本校では,教育目標である三本のやる気「元気,根気,本気」に到達するための努力目標の一つとして,「授業の質的改善を図り,たしかな学力の向上に努める。」をかかげて,日常の教育実践に励んでいる。
また,昨年度までの三年間は,道徳研究を行い,本年度からは,新たに,「基礎・基本の定着をめざす学習指導の実践(国語科と理科の学習を中核として)」の研究テーマを設定し,研究計画の樹立に着手した。
昨年度の校内研修の反省資料から,本年度の校内研修に係わる問題点を,次のようにとらえてみた。
(1)研究テーマの意図するねらいに沿った実践の方向に一貫性が出てこない。年度末の研究のまとめの段階になると,それぞれの教師の考え方にずれが生じた。
(2)校内研究におけるリーダーシップを発揮する場合,研修主任と他の教師との間にパイプのつながっていない現象が見られた。
(3))大規模校における校務分掌の職責を遂行するために,多忙な日々を送っている教師が多い。それらの教師は,研修意欲を持って,校内研修まで積極的にやっていこうとするエネルギーが,なかなかわいてこない。
以上のような問題点を分析してみると,
(1)については,研究テーマのめざす子ども像が,教師の間に十分理解されていないという目標達成機能の弱さがあげられる。
(2)については,リーダーシップ行動のとり方が,研修主任に十分身についていないためと考えられる。
(3)については,一応の集団維持機能は働いているが,教師の共同目標をさらに上に置いた場合の集団維持機能と目標達成機能とが,結びついていないためと考えられる。
よって,問題点の把握とその分析の結果から焦点化されてきた課題は,研修主任の立場から見た「研修意欲を高めるためのリーダーシップ行動の在り方」であると認識したので,本研究主題を設定した。
2.研究の見通し
校内研究を推進する場合,教師集団の目標達成機能(Perfomance)と教師集団維持機能(Maintenance)とが組み合わされたPM方式によるリーダーシップを発揮し,援助指導をしていけば,教師の研修意欲は高まるであろう。
3.研究の方法と対象
(1)研究の方法
1.PM方式とリーダーシップ行動に関する文献研究
2.研修に関する教師の意識調査(第一次,第二次)とその分析
3.校内研修計画の作成
4.PM方式を導入し,実践できる場と機会の探究
5.リーダーシップ行動の実践記録
6実践結果のまとめ
(2)研究の対象
本校教師30名(校長,教頭,養護教諭,栄養技師,事務職員,給食従事員は除く。)
4.研究の内容と推進計画
(1)研究構想の樹立6月
(2)PM方式とリーダーシップ行動に