福島県教育センター所報ふくしま No.92(H01/1989.8) -023/038page
関する文献研究 6月
(3)教師の意識調査と分析(第一次) 7月
(4)問題解決のための具体的実践 8月〜11月
(5)教師の意識調査と分析(第二次) 12月
(6)研究のまとめと研究報告書の作成 12月
5.研究の概要と考察
(1)研究の概要
1.研修に関する教師の事前意識調査を大きく三つの観点から実施し,リーダーシップ行動の実践計画作りの参考資料となるようにした。調査項目,調査結果と考察は,次のとおりである。
設問 選択肢の記号 選択肢の内容 集計結果(%) 考察 1.校内研究を阻害する要因について、どのように考えておられますか。 ア 研究主題設定までの手順や方法にまずさが見られる。 6 ・割合の高い順にみてみると、ク29%、エ13%イ10%となっている。研究時間の確保は、大きな課題となる。
・年代別にみてみると、30代の教師が、「子どもの幸福に結びつかない」ことを指摘しているのに対し、40代の教師は、「研究計画の不備」を指摘している。このことは、校内研究運営上の面から考えると、相関関係にあると言ってもよいだろう。イ 研究主題の意図するねらいや意味が、十分に理解されていない。 12 ウ 研究仮説が弱かったり、あいまいであったりする。 3 エ 年間計画、研究組織、研究のまとめ等に関する研究計画が不備である。 13 オ 個人の研究課題と校内研究テーマとの関連がうすい。 4 カ 子どもの幸福に結びつく校内研究となっていない。 12 キ 教師の研修に対する理解が不足している。 10 ク 研究時間の確保が、十分になされていない。 29 ケ 校内研究のリーダーがいない。 0 コ 適切な助言者がいない。 0 サ 研究するための参考図書や資料が不足している。 6
二.研修意欲が高まるのは、どんなときですか。 ア 研修の結果が児童の指導に役立ち、生きたとき。 45 ・割合の高い順にみてみると、ア45%、ウ20%、カ15%となっている。形式にとらわれた研究やきれいごとに終わる研究ではなくて、真に子どもの幸福に直結する実践研究でなければならないことを表したデータと考えてもよいだろう。
・ウやカの結果から、教師は、すぐれた内容に直にふイ 研究授業に取り組んだとき。 7 ウ 校内のすぐれた授業を参観したとき。 20 エ 研究会や研修会等で発表したとき。 0 オ 教育講演会に参加したとき 0 カ 他校視察により、先行研究にふれたとき。 15 キ 上司や仲間から認められたり、励まされたりしたとき。 4 ク 教育センターの講座に参加したとき。 2 ケ サークル活動に参加したとき。 0
2.リーダーシップ行動の実践計画は,P(計画),D(実践),S(評価)の三段階に分け,実践内容とPM機能との関連が明らかになるようにした。作成した実践計画は、次のとおりである。
段階 実施期間 実践内容 働かせたい主な機能 P機能の内容 M機能の内容 P(計画) 6月 1.主題研究全体協議会
・原色教育計画に位置づけられた校内主題研究の取り組み方
・研究テーマ、、テーマ設定の理由、研究仮説、研究組織、年間研究活動計画等
・基礎・基本についての理論研究・全体研究協議会に必要な要項や資料の準備を万全に行い、事前に資料を配布しておく。
・研修主任の立場から、参考意見を積極的に提供する。6月〜7月 2.班別研究協議会(国語班と理科班)
。班研究テーマ、班研究の仮説等
。教科における基礎・基本
。基礎・基本が定着する学習指導
・案の作成・班研究に必要な資料を作ったり、参考資料を提供したりする。 ・各研究班長や班員に対して、援助指導を行い、研究に取り組む抵抗感を除去してやる。 8月 3.夏季研修会
・第1年次緩急の推進にかかわる事項の採集確認
・第2学期研究活動の見通し・研究計画について共通理解を図るための手だてを講じる。 ・第2学期からの研究活動に見通しと意欲が出てくるように配慮する。 D(実践) 9月 4.要請学校訪問
・主題研究にかかわる指導訪問を要請し、具体的な研究推進内容まで指導助言を受ける。・訪問要項作りや授業研究の推進について、積極的にリーダーシップをとる。 ・要請学校訪問の目的を理解してもらい、学校訪問に対する抵抗感を取り除く。 D(実践) 9月
9月〜5.図工実技研修会
・児童作品の鑑賞のし方
・校内絵を描く会における構図のとり方
・色作り、画筆のタッチ等の実習
6.生徒指導事例研究会
・問題行動をもつ児童の指導事例
・問題行動をもつ児童につ・学校行事
「校内絵を描く会」に向けての教材けんきゅうを全職員共同のものとして充実させる。
3.リーダーシップ行動の実践の中から,いくつかの例をあげる。
ア.主題研究全体協議会では,校内研究テーマ設定の理由を,学校教育目標具現化,児童の実態,教職員の希望,更に教育界の動向(社会的要請)という四つの点から述べ,共通理解を得られるように配慮した。
イ.要請学校訪問においては,目的を主体的に研修を推進していく教育実践の場としておさえ,価値あるものであることを訴えた。
ウ.授業研究会では,授業者一→学年研究